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【2025年最新】バーの売却方法|居抜き売却のサポート業者も紹介

2025/10/10

カウンター越しにお客様と向き合い、時には一緒になってお酒を飲み交わす。そこには、築き上げてきた時間、常連客との絆、そしてご自身の人生そのものが深く関わっているバーを売却するという決断は非常に難しい判断だと思います。

「店舗を売却しよう」と決断したものの、このように複雑な手続きや経済的な不安がつきまとうものです。

「自分の店は、一体いくらで売れるのだろうか?」

「誰に相談すれば、損をせずに済むのか?」

「従業員の未来はどうなるのか?」

本記事を読むと、バーの売却を検討されている経営者の方が、安心して次の一歩を踏み出せるように、売却の基本的な知識から、バーならではの注意点、そして具体的なステップまで、網羅的に解説することで、店舗売却に対するあらゆる疑問や不安を解決します。


バーを売却する前に知っておきたいこと

バーの売却は、一般的な飲食店の売却とは少し異なり、特有の難しさがあります。

その最大の特徴は、オーナー経営者の個性やこだわりが、店舗の価値に極めて強く反映される点にあります 。

選りすぐりのお酒が並ぶバックバー、特注のカウンター、こだわりの音響設備、そして何よりも店の「顔」であるオーナーやバーテンダー自身が醸し出す雰囲気。

これらすべてが、バーの無形の資産のため、買い手がその世界観に共感できるかどうかが鍵となってきます。

それでは、バーを売却する前に知っておきたいポイントをみていきましょう。

どんなときにバーを売却する?よくあるきっかけ

バーの売却を決意するきっかけは、決してネガティブな理由だけではありません。オーナー経営者自身のキャリアやライフプランを見つめ直すなどといった、さまざまな転機があります。

後継者問題: 長年経営してきたが、事業を引き継ぐ親族や従業員がおらず、自身の引退を機に売却を検討するケース 。  

健康上の理由や家庭の事情: ご自身の体調不良や、ご家族の介護など、やむを得ない事情で経営の継続が困難になる場合 。  

経営不振・業績悪化: 競争の激化や客足の変化により、将来を見据えて事業整理を決断するケース 。  

新たな事業への挑戦: バー経営で得た資金と経験を元手に、別の事業や新しいコンセプトの店舗へ挑戦するための前向きなステップ。

好立地への移転: 事業が好調であるからこそ、より広い店舗や集客力の高いエリアへ移転するための資金確保を目的とした売却 。

売却理由は、買い手との交渉における立場や、売却価格にも影響を与えることがあります 。そのため、ご自身の状況を客観的に整理し、売却の目的を明確にしておきましょう。

「売却」と「居抜き売却」の違いとは

「売却」と「居抜き売却」の違いとは

「バーを売却する」といっても、その方法は大きく分けて「居抜き売却(造作譲渡)」と「事業譲渡(M&A)」の2種類が存在します。

ご自身の売却目的や店舗の状況によって、最適な方法を選択することが重要です。

居抜き売却(造作譲渡)

「居抜き売却」とは、店舗の内装、厨房設備、カウンター、テーブル、音響機器といった物理的な資産(造作)を次のテナントに売却する方法です 。

この方法では、店舗のブランド名(屋号)や運営ノウハウ、従業員の雇用、顧客リストなどは引き継がれません。あくまで「モノ」の売買と捉えると分かりやすいでしょう。

最大のメリットは、本来であれば数百万円単位の費用がかかる原状回復工事(店舗をスケルトン状態に戻す工事)を回避できる点と 、店舗の造作が資産として価値が認められた場合に「造作譲渡費用」も手に入れられる可能性がある点です。

また、手続きも比較的シンプルで、スピーディーに現金化できます。

事業譲渡(M&A)

「事業譲渡」は、物理的な資産だけでなく、店舗のブランド名、レシピ、長年かけて築いた常連客との関係性、優秀な従業員、運営ノウハウといった無形の資産(営業権)も含めて、事業そのものをすべて売却する方法です 。

従業員の雇用を守りながら、ご自身が育て上げたブランドを残せる可能性があり、無形資産の価値が価格に上乗せされるため、居抜き売却よりも高額での売却が期待できます 。

ただし、買い手による詳細な資産査定(デューデリジェンス)が必要となり、手続きは複雑になります 。

また、個人店の場合、「事業をそのまま買取りたい」という買い手があまり現れず、どうしても複数店舗を展開している企業が対象になってしまうケースが多いです。

バー売却でありがちな失敗パターン4つ

バー売却でありがちな失敗パターン4つ

バーの売却は、正しい知識と手順を踏まなければ、思わぬ落とし穴にはまり、数百万円単位の損失につながるリスクを伴います。

①情報の漏洩による物件価値の低下

「売却を検討している」という情報が、従業員や常連客、取引先に不用意に漏れてしまうケースです。

スタッフの動揺による離職や、常連客の客離れを招き、交渉の最中に店の価値そのものを大きく下げてしまう可能性も。

売却活動は、信頼できる専門家を通じて、水面下で慎重に進めるのが鉄則です。

②「想い」を乗せすぎた価格設定

「内装費にこれだけかけたから」「長年頑張ってきたから」という感情的な理由で、市場の相場を無視した希望額を設定してしまう失敗です 。

買い手はあくまで事業価値や投資回収の見込みを冷静に判断します。

不適切な価格設定をすると、結果的に買い手が見つからず、時間だけが過ぎていき、最終的に廃業コストの負担が重くのしかかることになります 。

③物件オーナー(貸主)への根回し不足

店舗が賃貸物件である場合、売却には必ず貸主の承諾が必要です。

この交渉を後回しにした結果、買い手が見つかったにも関わらず、物件オーナーに「造作譲渡は認めない」と拒否され、計画がすべて白紙に戻るケースは少なくありません 。

貸主との良好な関係構築と、専門家を介した早期の丁寧な交渉が不可欠です。

④「廃業コスト」という最悪のシナリオの軽視

売却がうまくいかなかった場合の選択肢は「廃業」になってしまいますが、そのコストを甘く見積もっている方も少なくありません。

10坪程度の小規模な店舗でも、原状回復工事費で少なくとも50万~100万円、さらに解約予告期間中の「空家賃」も発生します 。

売却は資産を現金化する行為ですが、「廃業は多額のコストを支払う行為」であることを明確に認識しておきましょう。

これらの失敗は、いずれも経営者お一人で売却を進めようとすることで引き起こしがちな失敗パターンです。

大切な資産を守り、最良の条件で売却を実現するためには、飲食店の売却、特にバーという専門性の高い業態の売却実績が多いパートナーの存在が不可欠です。

「店舗売却ドットコム」では、秘密厳守はもちろんのこと、豊富な売却実績に基づいた適正な査定から、貸主との交渉、複雑な契約手続きまで、専門のスタッフがサポートしております。

バーの居抜き売却とは?メリットと注意点

バーの売却を検討する上で、「居抜き売却」は最も現実的かつメリットの大きい選択肢の一つです。

しかし、その特性を正しく理解し、バーならではの注意点を押さえておかなければ、期待していたよりも、低い金額での取引になってしまうことも。

ここでは、居抜き売却の特徴や、バーならではの設備や内装で気をつけたい点を紹介します。

居抜き売却の特徴とおすすめのケース

居抜き売却とは、内装や厨房設備、カウンター、什器備品といった物理的な資産(造作)をそのままの状態で次の借主に売却する方法で、以下のようなメリットがあります。

  • 高額な原状回復費用の回避:通常、賃貸契約を解約する際には、店舗を借りた当初の何もない状態(スケルトン)に戻す「原状回復義務」が生じます。10坪程度の小規模な店舗でも50万~100万円以上の費用がかかるこの工事が、居抜き売却では一切不要になります 。
  • 造作の現金化:本来であれば廃棄費用を払って処分するはずの内装や設備が「資産」として売却でき、まとまった資金を手にすることが可能 。
  • 空家賃の抑制:閉店後も次のテナントが決まるまで発生し続ける「空家賃」の負担を、スピーディーな売却によって最小限に抑えることができます 。

また、バーでの居抜き売却がおすすめのケースとしては、以下のような例が挙げられます。

  • 迅速な現金化を最優先したい場合:事業譲渡(M&A)に比べて手続きがシンプルなため、売却までの期間が短い傾向にあります。
  • 後継者がおらず、ブランドの存続にこだわらない場合: 屋号や従業員は引き継がれないため、純粋に店舗という物理的資産を整理し、事業をクローズしたい場合に適しています。
  • 廃業コストを支払う余裕がない・避けたい場合: 手元の資金が少ない状況でも、原状回復費用という大きな支出を回避するだけではなく、むしろ収入を得られる可能性があります。

バーならではの設備や内装で気をつけたい点

バーの居抜き売却では、内装の独自性やお店ならではの設備の特殊性が、査定額や買い手のつきやすさに直結します。

以下の点に注意し、ご自身の店舗の価値を正しく把握しましょう。

グリストラップの有無:バーはお酒の提供が中心のため、厨房排水の油分を分離する「グリストラップ」が設置されていない場合も 。もし設置されていれば、バー以外の重飲食業態への転用も可能になるため、買い手の幅が格段に広がり、高額売却に繋がりやすくなります 。

内装デザインの普遍性:オーナーの趣味や個性が強く反映された独創的な内装は、お店の魅力である一方、買い手を限定してしまう可能性も 。特定のコンセプトに縛られない、普遍的で使い勝手の良い内装の方が、幅広い買い手に評価されやすい傾向にあります 。

アピールすべき設備:製氷機や冷蔵・冷凍庫といった基本設備に加え、「充実した音響設備」や「プロジェクターなどの映像機器」は、逆に買い手にとって大きな付加価値になる可能性が高いので、積極的にアピールしましょう。

リース品の明確化:ビールサーバーやPOSレジ、製氷機などの設備は、リース契約であるケースは少なくありません。これらは譲渡資産には含まれないため、事前に所有権を確認し、譲渡対象のリストから除外しておきましょう 。

スムーズに売却するための基本ステップ

思いつきで事前準備や知識のないまま売却活動を始めると、必ずどこかでつまずき、時間と資産を浪費することになります。

そうならないためにも、正しい手順を踏めるように3つのステップをみていきましょう。

ステップ1:売却条件の整理と査定依頼

まず最初にやるべきことは、「売却の目的」を明確にすることです。「いつまでに、いくら手元に残したいのか」「従業員の雇用はどうしたいのか」といった希望条件を具体的に整理しましょう。

次に、その希望が現実的かどうかを判断するために、専門家による「査定」を受けます。ここで重要なのは、ご自身の「想い」や「売却希望額」などを一旦置いて、市場価値に基づいた客観的な評価額を知ることです 。

専門家に査定してもらった適正価格を把握することが、売却戦略全体の土台となります。

ステップ2:買い手探しと交渉

査定額を元に売却価格を決定したら、いよいよ買い手探しです。スタッフや常連客、関係者の方たちにも閉店することを伝えている場合には問題ありませんが、内密で動いている場合には「情報管理の徹底」が不可欠です。

専門の仲介業者は、店舗名を非公開にした状態で、独自のネットワークを通じて購買意欲の高い候補者にのみ水面下でアプローチすることも可能です。興味を示した候補者とは秘密保持契約を締結した上で、初めて詳細な情報開示や内見へと進むため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます 。

交渉においては、売却価格はもちろん、引き渡し時期、売り手による引き継ぎ期間の有無、リース品の扱いといった諸条件を詰めていきます 。

ステップ3:契約と引き渡し

買い手との間で大筋の条件が合意に至ると、「基本合意書」を締結し、その後、法的な効力を持つ最終契約である「造作譲渡契約書」を締結します。  

この契約書には、譲渡する資産のリスト、価格、支払い条件といった基本事項に加え、売却後のトラブルを防ぐために「設備の不具合が発見された場合の責任の所在(契約不適合責任)」や、「次のテナントが退去する際の原状回復義務を誰が引き継ぐのか」といった重要な項目が明記されます 。

そして、契約締結後、定められた期日に譲渡代金の決済と店舗の鍵の引き渡しを行い、売却プロセスは完了となります。

店舗売却ドットコムに相談

バーの売却は、オーナー経営者の人生における大きな決断です。そのプロセスは複雑で、専門的な知識がなければ思わぬ損失を被るリスクも少なくありません。

居抜き売却で最大のメリットを得られるようにするには、信頼できる専門家にサポートしてもらいながら、バーならではの価値を正しく評価してもらうことです。

重要なのは、一人で悩まず、早めに居抜き売却の専門家へ相談することです。適正な市場価値の把握から、貸主との交渉、豊富なネットワークを利用した買い手探し、複雑な契約交渉までサポートしてくれます。

「店舗売却の知識がなくて不安…」という方でもご安心ください。店舗売却ドットコムでは、一都三県で1,600店舗以上の売却実績があります。無料相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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株式・事業譲渡だけでなく、「店舗・居抜き売却」を検討している方も、お気軽にご相談ください。

店舗売却ドットコムに相談
株式会社Food Innovators Japan 取締役 今井康仁

監修者:今井 康仁(株式会社Food Innovators Japan 取締役)


飲食業界に20年以上携わり、現在はFood Innovators Japanで店舗売却支援や開業サポート、経営改善などに取り組んでいます。現場経験をもとに、事業者の皆さまに役立つ情報をお届けします。