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2023/09/20
数分間外を歩くだけでも汗が噴き出るほど暑い、最近の夏。
火を使う厨房は特に暑さが充満しやすく、まさにサウナ状態になりやすいです。
せっせと働く料理人たちが暑さの中、万が一熱中症で倒れてしまえば、大怪我になってしまうことも。
大切な従業員を失う前に、日頃から働きやすい環境を整えておかなくてはいけません。
「厨房が暑くなりすぎて人が倒れたらどうしよう…」
「どうすれば暑い厨房を少しでも涼しくできるだろう…?」
「従業員にはどんな工夫をさせると熱中症予防になるのかな?」
今回は、このような不安を抱えている経営者さんに向けて、暑すぎる厨房を涼しくするための方法や、熱中症対策の手段を具体的にお伝えします。
★この記事の結論!
・厨房はケチらず暑さ対策をするのがベスト!
・厨房と従業員どちらも具体的に対策しよう!
・働きやすい環境にすることがお店の将来につながる!
最近の真夏日は、厨房の暑さを「気合い」で乗り切るべきではありません。
猛暑の中で無理をして働くことは、命に関わる危険をともないます。
暑さ対策はぜひケチることなく、しっかりとほどこしておきましょう。
暑すぎる厨房は、基本的には、厨房を25度以下、湿度80%以下に調節しておくことで、快適に働くことができます。
料理人が快適に働く環境が整っているということは、致命的なミスを防ぎ、より良いパフォーマンスを発揮してくれるものです。
具体的には、下記のような対策をおこないましょう。
①スポットクーラーの設置
②休憩をとらせる
③涼しい制服の用意
④こまめな清掃
それぞれ詳しく解説します。
厨房全体を満遍なくしっかり冷やそうと思うと、なかなか難しいかもしれません。
そこで、必要に応じてスポットクーラーを使うことで、料理人たちに働きやすい環境を整えることが可能です。
スポットクーラーとは、床に置いて使う小型の空調機器であり、価格もそこまで高額ではありません。
キャスターがついているためコロコロと移動させて使いやすく、狭い場所にも設置することができ便利です。
ただし、小型空調機のホースからは冷気が出てくる一方で、背後に排熱する作りになっているものがほとんどです。
調理人が複数人散らばっている場合には、立ち位置を調節する必要があるかもしれません。
どれだけいそがしくても、料理人にはこまめに休憩をとらせることで、熱中症予防をすることが大切です。
休憩時間には摂取すべき水の量を指定し、水分不足になることを徹底的に回避しましょう。
また、体調が少しでも悪いと感じたらすぐに休めるような環境作りも大切です。
料理の提供が遅れる場合、お客様は不満を抱えるのが当然です。
しかし、料理人の健康状態は何にも変えられません。
必要があれば、料理人の健康を第一とするため提供が遅れることがある旨をホールに記載し、理解のある方にだけ通っていただくようにするという対策も必要でしょう。
最近の世の中は、お客様第一のモラルに反する働き方には批判的であり、働きやすい環境づくりや個々を大切にする姿勢が評価されています。
売り上げアップのために盲目にならず、目の前の料理人を大切にすることを第一に考えましょう。
コックコートは、耐熱性や耐火性に優れている一方で、通気性が悪いものも多いです。
夏と冬で同じものを使い続けるというのは、そもそも理にかなっていません。
たとえば、速乾性の優れている「麻」を使った素材なら、汗をかいても肌に張り付いて気持ち悪く感じにくく、ベタつきを防止してくれます。
インナーにも速乾性のあるものをおすすめするなど、より快適に過ごせるように工夫をしてあげるのが◎。
制服が変わるだけで、働きやすさも一変します。
排気や吸気設備がほこりで詰まってしまうと熱がこもりやすく、本来の力も発揮しません。
外の新鮮な空気を吸気し、厨房内にたまった暑苦しい空気を排気してくれるための設備は、定期的に清掃して状態を万全に整えておきましょう。
排気ダクトやファンをきれいにするだけで、エアコンの効きもかなりよくなるため、節電にも繋がります。
厨房内の空気はしっかりと循環させ、気持ちの良い状態を保っておきましょう。
厨房は熱がこもりやすく、暑さ対策をしても涼しいと感じにくいことがあります。
従業員たちには意識的に熱中症対策をほどこすよう、指導しておく必要があるでしょう。
①体調管理を行う
②水分と塩分をこまめにとる
それぞれの注意点を、詳しく解説します。
他の体調不良とタイミングがあってしまったとき、熱中症は特に発症しやすくなります。
たとえば、下記のような状態では働かないように、料理人たちへ声をかけましょう。
・栄養不足
・寝不足
・二日酔い
・下痢
・妊娠
たった1日無理をするだけで、次の日の体調不良につながり、熱中症で倒れる可能性が高まります。
日頃の体調管理をするのは料理人たちのつとめですが、あらかじめ熱中症になりやすいケースを認知してもらうことで、無理して働く状況を回避できるはずです。
体調不良が起きているとき、うまく発汗機能が働かず、体に熱がこもってしまう原因になりえます。
日頃からしっかりと栄養ある食事をし、睡眠をたっぷりとって健康体でいてもらえるように、無理のない職場環境を作りましょう。
いそがしいときこそ、体調不良が起きたときの異常を感じにくいものです。
しかし、いそがしいときだからこそ、忘れずに水分と塩分をとるタイミングを作ることを徹底しましょう。
人は1日に、2リットル以上の水分が必要であると言われています。
さらに、アルコールやカフェインは利尿作用をうながしてしまうため、暑い厨房で働く人なら避けるべきでしょう。
さらに、汗をかくことにより塩分やミネラルが放出されてしまうため、塩分をしっかりと摂取することも大切です。
塩分補給用のタブレットや梅干しを用意しておき、定期的に摂取してもらうようにしましょう。
熱中症だと思われる下記のような症状が出ていれば、すぐに涼しいところへ避難して、休ませる必要があります。
・めまい
・失神
・吐き気
・嘔吐
・けいれん
・頭痛
・意識障害
・手足の運動障害
意識がなければすぐに救急車を呼び、呼びかけに答えられる状態ならすぐに水分や塩分をとらせます。
本人が倒れたときの症状を知っている人が付き添い、念のため医療機関に行き症状を伝えましょう。
熱中症は毎年死亡例が出ているほど、楽観視してはいけないものです。
人が倒れてからでは遅いので、かならず日頃から対策を徹底していきましょう。
暑い厨房を快適な環境にするためには、費用がかかることもあるはずです。
しかし、料理人が快適に働けないことを理由にミスが生じ、お客様に迷惑がかかってしまえば、お店の評判が悪くなるでしょう。
万が一従業員が熱中症で倒れてしまった場合には、お店の経営自体が難しくなるはずです。
人の命に変えられるものはありません。
厨房の暑さ対策は、必ず万全にしておきましょう。
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