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造作譲渡の意味とは?含まれるもの・含まれないものを解説

2022/09/15

店舗物件の募集資料や契約書に書かれている「造作譲渡」という文字。
不動産関連の仕事でもしていない限り、初めて単語を見たという人も珍しくないでしょう。

 

造作譲渡というのは、本来かかる費用をおさえて開店・閉店できる方法のことです。
でも、どんなときにも使えるというわけではありません。

 

「造作譲渡って良いの?悪いの?」
「造作譲渡ってどんなものなの?」
「どこまでが造作譲渡に含まれるの?」

 

このような質問は、弊社にもよくいただいております。
今回はそんな疑問にお答えすべく、記事をご用意しました。

 

★この記事の結論
・造作譲渡はできるならやっといた方が得!
・勝手に造作譲渡しようとするとトラブルになるかも!
・造作譲渡がしたいならオーナーに相談が必須!
・オーナーに相談する前に専門業者に相談するのが安心!

 

この記事では、「造作譲渡」という言葉を初めて知った方に向けて、意味や特徴をわかりやすく解説します。
これからお店を開店・閉店しようと思っている店長さんは、ぜひ「造作譲渡」をおさえておきましょう!

 

造作譲渡の意味とは?→安く開店・閉店するための手段!

造作譲渡とは、入居時や退去時に店舗をそのままの状態で明け渡す手段のことです。
退去予定のテナントオーナーが、新テナントオーナーに店舗をそのまま明け渡します。
新テナントオーナーが、テナントの造作物所有者である退去予定テナントオーナーへ、店舗の価値に見合うお金を払って譲り受けるという内容の契約になります。

 

本来であれば退去時には、店舗をスケルトン状態に戻さなくてはいけません。
多くの場合に、天井や壁のないスケルトン状態で明け渡された空間に手を加え店舗の形に作り上げてから、店舗運営を開始しているはずです。
つまり、費用をかけて造作物を取り入れることで、店舗として使える状態にしています。

 

そして、このスケルトン状態に戻すことを「原状回復」と呼びます。
一方で、原状回復をしないで店舗の型を保ったまま明け渡すことを「造作譲渡」と呼ぶのです。

 

造作譲渡をする物件は「居抜き物件」などと呼ばれることもあります。
一方で原状回復工事を行い、内装や設備がないすっからかん状態の物件は「スケルトン物件」と呼ばれます。

 

「造作譲渡」なら原状回復にかかる費用を丸々なくせる!

スケルトン状態に戻す場合、原状回復工事に費用がかかります。
店舗の大きさや工事のしやすさにもよりますが、基本的には数十万円から百万円以上かかる事もあると思っておきましょう。

 

費用をかけて取り付けた造作物を、取り壊すためにまた費用をかけるというのは、なんとも切ないものです。
せっかくなら、新しく入るテナントにそのまま店舗を使ってもらいたい、と思うはず。

 

造作譲渡をすることで原状回復にかかる費用もかからなくなるため、費用面と気持ち面の両方にとってポジティブな要素となります。

 

造作譲渡に含まれるものとは?

造作譲渡に含まれるものは、貸主と借主の両方が決めるものです。
契約によって内容が異なりますが、主に含まれるものの例としては下記が挙げられます。

 

・天井
・床
・壁(内装)
・トイレ
・シンク
・看板
・レジ
・排気設備
・音響機器
・空調設備
・厨房設備
など

 

反対に「スケルトン物件」に戻さなくてはいけない「原状回復」が必要になる場合、上記のものは全て撤去しなくてはいけません。
スケルトン物件としてテナントを借り始める場合には上記のものを自分で取り揃えなくてはいけないため、退去する側と入居する側どちらにも負担が大きくなります。

 

造作譲渡に含まれないものとは?

造作譲渡に含まれないものについても、売主と買主の契約条件によって異なります。
一般的に含まれないものの例としては、下記があげられます。

 

・食器
・リース商品
・調理器具
など

 

ただしリース商品は引き継ぎができる場合もありますので、リース会社にご確認下さい。

 

食器や調理器具などは売主と買主の相談で撤去するかどうかを決めることもあります。

 

新テナントオーナーは造作譲渡してもらえるものの範囲を把握し、自分で揃えなくてはいけないものは何かを想定しておきましょう。

 

造作譲渡の方法とは?ポイントは大家さんとの交渉です

造作譲渡について交渉は、退去予定のテナントと新テナントの間で行われます。
なぜなら、造作は基本的に退去予定のテナントが設置し、所有しているものだからです。

 

しかし、新テナントがその場所を使うためには、貸主である大家さんと「賃貸借契約」を結ぶ必要があります。

 

「賃貸借契約」にはほとんどの場合、「原状回復」の義務つまりスケルトン物件にしてテナントを明け渡す条件が記載されています。

 

造作譲渡をする前に!大家さんの承認が必要

大家さんは基本的に、原状回復をされたスケルトン状態になった物件の返却を望みます。
理由は、新テナントとのトラブルを避けたいことや、新しい造作物に作り替えて欲しいと考えているケースが多いです。

 

本来であれば退去予定のテナントがスケルトン状態にして、新テナントがゼロから内装を作らなくてはいけないもの。
居抜きのまま譲り受けたいとなると、大家さんが快く思わないケースがあります。

 

勝手に造作譲渡をする話を進めてしまうと、後で大家さんに承認してもらえず、大きなトラブルになることがあります。

 

退去予定のテナントは事前に大家さんへ相談し、造作譲渡の許可を得る必要があるということです。

 

造作譲渡が良い理由は?原状回復と比べて効果とは?

造作譲渡は、退去予定のテナントと新テナントどちらにとっても良い点が大きいです。
反対に悪い点はほとんどないので、大家さんに許可さえしてもらえるなら、圧倒的に造作譲渡を選ぶべきでしょう。

 

造作譲渡による効果は、主に下記があげられます。

 

①コストがおさえられる
②収益が見込める
③閉店ギリギリまで営業できる

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

造作譲渡の効果①:コストがおさえられる

大家さんへテナントをスケルトン状態にして返却するとき、退去予定のテナントオーナーはスケルトン工事をほどこす必要があります。

 

スケルトン工事では全ての造作物を撤去しなくてはいけないため、工事には坪単価で5万円〜することも珍しくありません。
テナントが2階以上にあり工事に必要な作業車が入れない場合などには、工事費用が高くなるというケースも。

 

造作譲渡ができるとスケルトン工事を行う必要がなくなるため、スケルトン工事費用を丸々おさえることが可能です。

 

造作譲渡の効果②:収益が見込める

新テナントオーナーはゼロから内装を作る必要がなくなるため、契約してすぐに開店できます。
内装工事を行う必要もなくなりコストがおさえられる点から、居抜き物件の造作譲渡は人気が高いです。

 

造作譲渡する物件の価値が高いほど、高値で取引できることも。
つまり退去予定テナントのオーナーの手元には、造作譲渡により良いお金が入ってくる可能性があります。

 

赤字経営の結果テナントを明け渡したいオーナーや、新店舗設置のために資金が必要なオーナーにとっては、最後の資金収入源となるでしょう。

 

造作譲渡の効果③:閉店ギリギリまで営業できる

店舗は綺麗な状態で明け渡す必要がありますが、内装を壊すための時間が不要になるため、閉店ギリギリまで営業を続けられます。
最後まで営業利益を出したいテナントにとっても、造作譲渡は理想的なテナント明け渡し方法です。

 

造作譲渡の意味とは?何が含まれるかチェックしよう!

造作譲渡は退去予定のテナントオーナーと新テナントオーナー、どちらにとっても効果が大きいです。
とはいえ、造作譲渡に含まれるものはテナントによって異なるため、内容と価値を比較した上で適切な価格交渉をして取引ができると良いですね。

 

「うちのテナントはいくらで造作譲渡できるかな?」「こんなテナントを探してるんだけど、良い値段で交渉できそう?」など造作譲渡に関する疑問は、ページ下記にあるフォームからお気軽にお問い合わせくださいませ!