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【2026年最新】飲食店の事業譲渡とは|手順・必要書類・料金を徹底解説

投稿日:2026/01/16

「お店を閉めようか迷っているが、原状回復費用が高すぎる…」 「長年愛された店の味や看板を、誰かに引き継いでほしい」

そうお考えの飲食店オーナーの方、いきなり「廃業」を決断するのは早いかもしれません。 その店舗を「事業譲渡」をすることで、撤退費用を支払うどころか、数百万円以上の「譲渡益」を手元に残せる可能性があります。

特に、一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の飲食店は、新規出店コストの高騰を背景に「すぐに営業できる店舗」の需要が非常に高く、オーナーの方が思っている以上の価値(のれん代)がつくケースも珍しくありません。

そこで本記事では、飲食店の事業譲渡に関する基礎知識から、手順、必要書類、料金、注意点までを徹底解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。


飲食店の事業譲渡とは

飲食店の事業譲渡とは、店舗の内装や設備といった「有形資産」に加え、顧客リスト・ブランド・ノウハウ・従業員・取引先関係などの「無形資産(のれん)」を包括して第三者に売却・引き継ぐ手法です。

居抜き売却(造作譲渡)」が設備のみを売るのに対し、事業譲渡は「儲かる仕組み」そのものを売買するため、より高値での売却が期待できます。

特に一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)のような競合が激しいエリアでは、すでに集客基盤がある店舗の価値は高く評価される傾向にあります。

これまでは廃業時に解体費用がかかっていた店舗も、事業譲渡を選択することで「資産」として現金化できる可能性が高まります。

ただし、すべての店舗が事業譲渡できるわけではないので、まずは「自分のお店が事業譲渡の対象になるか」を知ることから始めましょう。

ポイント】

  • 居抜き(造作譲渡): モノ(設備・内装)だけを売る。
  • 事業譲渡: モノ+ヒト・ブランド・信用をセットで売る。

また、事業譲渡以外の売却方法については、下記の記事も併せて参考にしてください。

飲食店の廃業・閉店を検討する際、損をしづらい選択肢として注目されているのが「事業譲渡」です。

単なる閉店や現状回復工事を伴う退去と比較し、オーナー様にとって以下の5つのメリットがあります。

  1.  廃業よりも利益が残りやすい
  2. スムーズな撤退ができる
  3. 開業リスクの軽減(既存顧客・設備あり)
  4. 立地やブランドを引き継げる
  5. 従業員の雇用継続ができる

1. 廃業よりも利益が残りやすい

1. 廃業よりも利益が残りやすい

廃業した場合、手元に資金を残すことが出来る場合もありますが、契約状況によっては内装の撤去費用や原状回復のための追加の出費まで発生することも。

一方で、事業譲渡であれば、以下のような資産を「価値あるもの」として第三者に売却できます。

  • 厨房設備や内装などの資産
  • 顧客リスト、SNSフォロワー、予約システムなどの資産
  • 店舗名・メニュー・従業員などの資産

特に黒字経営で安定した集客力がある店舗は、数百万円~数千万円の譲渡益を得られる可能性もあります。

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2.一部または全部の事業を引き続いたまま撤退ができる

2.一部または全部の事業を引き続いたまま撤退ができる

通常の閉店では、以下のような準備が必要になります。

  • スタッフの退職対応
  • 在庫処分や業者解約
  • テナントの原状回復工事
  • お客様や取引先への説明 など

しかし、事業譲渡であれば営業中の状態でそのまま新しいオーナーに引き継ぐことが可能です。

そのため、閉店・廃業に伴う、店舗の原状回復のような全リセットがないので、時間や費用を大幅に節約できます。

3.買い手にとっての開業リスクの軽減(既存顧客・設備あり)

買い手にとって、ゼロから飲食店を開くには内装工事・厨房機器の導入・人材採用・集客など、膨大な初期投資と労力が必要です。

そのため、以下のような店舗の状態だと売却交渉時の大きな価値評価ポイントにもなります。

  • 内装・設備がすでに整っている
  • 教育済みのスタッフやシフト体制がある
  • 来店履歴のあるリピーター顧客がいる など

4.立地やブランドを引き継いでもらう

飲食店にとって、店舗が「どこにあるか」「どんな店か」というのは、「命」そのものです。

特に、人気エリアや駅近といった好立地は、そもそも空き物件が出にくいので、買い手にとって、現在の店舗をそのまま引き継ぐことができるのは大きなメリットになります。

さらに、店舗名やメニュー、内装の雰囲気を引き継いでもらえば、自分が作り上げてきたブランドを続けてもらうことが出来ます。

5.従業員の雇用継続ができる

飲食店の閉店するにあたり、最後まで悩むのが「スタッフの処遇」です。

「もし急にお店を閉めたら、スタッフたちに迷惑をかけてしまう」と不安を抱えるオーナーも多いと思います。

しかし、事業譲渡をうまく活用すれば、現在の従業員をそのまま新オーナーに引き継ぐ形で雇用継続ができるケースが多くあります。

ただし、双方合意の上で買い手と従業員が新たに雇用契約を結ぶ必要があるので注意しましょう。

特に、信頼関係を築いてきた店長や料理長などのキーマンが残れば、店舗の味や接客の質が保たれるため、買い手にとっても大きなメリットとなります。

事業譲渡には多くのメリットがある一方で、慎重に進めなければ後々のトラブルにつながるリスクもあります。

ここでは、飲食店オーナーが事前に理解しておくべきデメリットを5つ紹介します。

  1. 法務・契約上のトラブル
  2. 隠れた負債の引き継ぎリスク
  3. 債務・契約の整理が必要
  4. ブランド評価の低下リスク
  5. 顧客やスタッフへの説明が必要

1.法務・契約上のトラブル

事業譲渡でもっとも多いのが、契約書の不備や曖昧な取り決めによるトラブルです。

そのため、取引の際には必ず以下のような要素を明確にしておくことが重要です。

  • 「誰が」「何を」「どの範囲で」「いつまでに」譲渡するのか
  • 設備や営業権の範囲
  • ブランドや店名の使用に関するルール
  • 競業避止義務(同業の新規開業制限)の有無と期間

口約束や曖昧な契約は、譲渡後の「言った・言わない」の争いにつながるので、知人同士のやり取りであっても、必ず書面で契約を交わしましょう。

個人で法務面の整備を進めるのは難しいので、飲食店の譲渡を熟知した専門の会社のサポートを活用するのが安心です。

2.隠れた負債の引き継ぎリスク

買い手にとって、隠れた負債などの「見えないリスクの存在」は大きな不安要素です。

一例を挙げるので、買い手と交渉する際に申告漏れがないよう、以下のような点を注意しましょう。

  • 売掛金の未回収分
  • 税金や社会保険料の未納
  • 保証金の返還義務
  • 未処理のクレームや係争中のトラブル

こうした問題が後から発覚すると、買い手との関係悪化を招き、損害賠償や契約の無効などに発展する可能性も。

そうならないためにも、「デューデリジェンス(DD)」と呼ばれる、専門家に事前調査を委託することが重要です。

デューデリジェンス(DD)とは、飲食店の事業譲渡において、買い手が売り手の財務・法務・契約状況などを専門家とともに調査・分析するプロセス。リスクを事前に把握し、安全な取引を実現するために欠かせない工程です。

3.債務・契約の整理が必要

譲渡前に、オーナー側で現在の債務や契約内容を明確に整理しておく必要があります。

例えば次のような契約関係を放置すると、譲渡後のトラブルの原因になることも。

  • リース契約(厨房機器やPOSなど)
  • サブスクリプション契約(BGM配信、予約管理システム)
  • 取引業者との年間契約(酒類、クリーニングなど)
  • テナント賃貸借契約

これらの契約は、譲渡に伴って「名義変更」や「解約・再契約」が必要になる場合もあるので、未払いの請求書なども残っていないか念入りに確認しましょう。

4.ブランド評価の低下リスク

店名やメニューをそのまま引き継いでも、運営者が変わることで顧客の評価が変わってしまう可能性があります。

評価の低下リスクを防ぐためにも、スタッフ、レシピ、接客マニュアルなど、以前の状態を維持できるよう、しっかり引き継ぎをしましょう。

「名前だけでなく“本質”も引き継ぐ」意識が重要です。

5.顧客やスタッフへの説明が必要

いきなり「店舗を売却する」というと、多くのお客様や従業員にネガティブな印象を持たせてしまいます。

そのため、以下のようになるべく不安にさせない説明をしましょう。

  • 従業員には早めに共有し、不安を軽減する
  • 労働条件や雇用継続の見通しを丁寧に伝える
  • 顧客には「営業は継続する」などのポジティブな情報発信を行う

事業譲渡(オーナー交代)は「終わり」ではなく「新たなスタート」です。その意図を正しく伝えることで、お客様やスタッフとの信頼関係を維持したまま、スムーズな引き継ぎと信頼維持につながります。

事業譲渡は「お店を売る」だけの行為ではありません。店舗の資産や契約関係、スタッフ、顧客、さらには長年かけて築いてきた信頼まで含めて、次の経営者へ丁寧に引き継ぐ必要があります。

ここでは、飲食店が事業譲渡をスムーズに進めるための4つのステップをわかりやすく解説します。

  1. 事前準備
  2. 譲渡先の選定方法
  3. 基本合意・デューデリジェンス
  4. 最終契約・引き渡し

ステップ1:事前準備

まずは、自店の状況を正しく整理(洗い出し)するところからスタートです。

  • 資産・契約の棚卸し
    • 厨房機器、内装、予約システム、リース契約など、譲渡対象をリストアップ
  • 財務書類の整理
    • 直近の損益計算書、貸借対照表、売上推移などの数字を揃える
  • 営業許可や各種免許の確認
    • 名義変更が可能か、期限は切れていないかをチェック
  • 譲渡の目的や希望条件の整理
    • 「いつまでに売りたいか」「価格帯の目安」「スタッフの引き継ぎ可否」など、自身の希望を整理

ここでの事前準備が不十分だと、交渉が難航したり、最終的に契約が成立しないこともあるため、この段階から専門家に相談することも有効的です。

ステップ2:譲渡先の選定方法

譲渡先、つまり「誰に引き継いでもらうか」を探す段階です。

譲渡先を探す方法は、主に3つの方法が挙げられます。

(1)知人や業界内ネットワークで探す(非公開型)

  • 信頼関係を前提に交渉しやすく、柔軟な対応が可能
  • 一方で、候補が限られるため条件に合う相手が見つかりにくいことも

(2)M&Aプラットフォームを活用する(公開型)

  • 専門サイトに匿名で掲載して広く募集できる
  • 飲食業特化のサービスも存在し、営業を続けながら進行可能

(3)仲介会社・支援機関に依頼する

  • 条件に合った相手を探し、契約や交渉のサポートまで一貫して対応してもらえる
  • 成功報酬や手数料はかかるが、初めての方には安心感がある

店舗の状況によっては、事業譲渡よりも別の売却方法が適していることもあるので、まずは信頼できる業者に相談するのがおすすめです。

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ステップ3:基本合意・デューデリジェンス

候補者と交渉が進んだら、まずは条件面での基本合意を締結します。

その次におこなうのが「デューデリジェンス(事前調査)」なので、どのような内容を合意して、チェックするのかを見ていきましょう。

基本合意で決める主な内容

  • 譲渡価格の目安
  • 譲渡対象の範囲(設備、顧客リスト、SNSなど)
  • スケジュールや引き継ぎ条件
  • 秘密保持や独占交渉の取り決め

デューデリジェンスでチェックするもの

  • 財務面:売上や利益、債務状況、未収金など
  • 法務面:契約書の内容、営業許可の状態
  • 税務面:納税状況、申告漏れの有無など

この調査段階で問題が見つかると、条件の見直しや契約中止に至る可能性もあるため、売り手側は正確な情報提供をしましょう。

ステップ4:最終契約・引き渡し

デューデリジェンスを経て、最終的な条件が固まったら、いよいよ譲渡契約の締結と引渡しです。

最終契約書で明文化すべき主な項目をまとめました。

  • 譲渡対象の明細(設備・ブランド・営業権など)
  • 譲渡金額と支払方法
  • 引き渡し日と引き継ぎスケジュール
  • 競業避止義務の有無・期間
  • 契約不履行時の取り決め(違約金など)

また、実際の引渡しに際しては、取引先やスタッフへの引き継ぎ説明、 鍵、レジシステムなどの移管も必要です。

今までの引渡しの際には、売り手側も保健所へ営業許可名義変更をしに行く必要がありましたが、2023年(令和5年)12月の制度改正により、ある条件を満たせば名義変更による承継が可能になりました。

営業許可の名義変更が可能に(令和5年12月改正)

これまで、事業譲渡を行う場合は、新しいオーナーが一から営業許可を取り直す必要があり、引き継ぎのタイミングによっては営業の空白期間が生まれるリスクがありました。

しかし現在は、以下の条件を満たせば、同一の施設を使用する場合に限り、営業許可の「名義変更」が可能になる可能性もあります。

名義変更が認められる条件(一部抜粋)

  • 施設の構造や設備に変更がない
  • 現行の営業許可が有効である
  • 名義変更の理由が正当(事業譲渡や相続など)
  • 保健所へ所定の様式を用いて届出・承認を受ける

引用先:東京都保健医療局

なお、実際の運用は自治体によって若干異なる場合があるため、事前に各保健所へ確認することをおすすめします。

飲食店の事業譲渡をスムーズに進めるためには、あらかじめ必要書類を準備しておく必要があります。

譲渡契約に必要な書類一覧

事業譲渡を正式に行う際には、契約書類の準備が不可欠です。

  • 事業譲渡契約書
    •  譲渡の対象範囲、金額、引き渡し条件、競業避止義務などが明記した契約書
  • 設備・資産の明細書
    •  譲渡対象となる厨房設備・内装・什器類などのリスト
  • 営業権・ブランドの譲渡承諾書(必要に応じて)
    • 店名やSNSアカウントなど無形資産の引き継ぎがある場合に準備

契約書類は曖昧なまま進めると後々のトラブルになりかねないので、専門家と一緒に内容を確認・整備しておくことをおすすめします。

買い手・売り手双方で必要なもの

契約締結や手続きの際には、本人確認や法的手続きを進めるための書類も必要なので、以下の表にまとめました。

飲食店の事業譲渡で必要な書類一覧(売り手・買い手別)

書類名書類名買い手側
本人確認書類(運転免許証など)
会社登記簿謄本
(法人の場合)
営業許可証の写し
財務諸表
(直近の損益・貸借)
リース契約書・業務委託契約書のコピー
従業員名簿
(雇用継続がある場合)
資金証明書
(預金残高証明など)

これらは、契約の信頼性を担保するための基本情報として扱われますので、できるだけ正確かつ最新のものを準備しましょう。

行政への提出書類(必要に応じて)

譲渡後の営業継続にあたっては、行政への申請・届出が必要になるケースがあるので、一例を紹介します。

  • 営業許可の名義変更申請書(令和5年12月以降可能)
    •  同一施設を使用する場合に限り、営業許可の名義変更が可能に
  • 防火管理者選任届・変更届(施設規模によっては必須)
  • 酒類販売許可の継承申請(酒類提供店のみ)
  • 廃業届(旧オーナー側が税務署などに提出)

自治体や業態によって提出書類が異なる場合があるため、事前に所轄の保健所・税務署・消防署等へ確認しておくと安心です。

書類のチェックも当社で!

事業譲渡をするにあたり、ここまで情報量が多いと「一人で手続きするのが不安になった」という方もいると思います。

そんな場合でもご安心ください。

店舗売却ドットコムでは、これまで1,600店舗以上の飲食店の店舗売却をしてきた実績を活かしたサポートをしていますので、少しでも不安な方はぜひ無料相談をご利用ください。

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事業譲渡にかかる費用は、譲渡金額やサポート内容によって大きく異なります。

特に、仲介会社を利用する場合は「成功報酬型」の料金体系が主流なので、飲食店が事業譲渡を進める際に発生しやすい代表的な費用項目と、おおよその相場感を紹介します。

主な費用項目とその相場

費用項目主な負担者内容相場感
仲介手数料(成功報酬)売り手成約時にM&A仲介会社へ支払う成果報酬。取引金額に応じて料率が変わる「レーマン方式」が主流譲渡価額の3~10% 
※ただし、最低報酬額(100万円以上)が設定されている場合が多く、小規模な取引では特に注意が必要
着手金売り手M&A仲介会社との契約時に支払う初期費用。案件化や資料作成などの実費に充てられる0円 ~ 200万円 
※近年は着手金無料の「完全成功報酬制」を採用する仲介会社が増加している
譲渡契約書の作成・チェック費用売り手・買い手弁護士などの専門家が契約書を作成・レビューする費用。法的なリスクを回避するために必須となる10万円 ~ 50万円以上
  ※取引の規模や契約内容の複雑さによって大きく変動する
デューデリジェンス費用買い手買い手が売り手企業の財務・法務状況などを精査する「買収監査」の費用。リスクの洗い出しに不可欠30万円 ~ 数百万円 
※調査範囲を財務・法務などに限定した簡易調査なら数十万円から可能だが、本格的な調査は高額になる

実際に飲食店の事業譲渡を行う際の総費用は、店舗規模や譲渡金額にもよりますが、どんなに少なくても100万円以上はかかります。

この費用感だけ見ると「仲介会社に依頼すると高いのでは?」と感じる方もいると思います。

しかし、契約交渉・買い手選定・契約書作成・リスク回避まで一括でサポートしてくれると考えれば、合理的な費用とも言えます。

とくに初めて事業譲渡に臨むオーナーにとっては、プロを介して進めることで、時間・リスク・ストレスなどの削減という面でも、十分に価値のある投資と言えます。

【飲食店向け】事業譲渡の注意点

事業譲渡は、飲食店を次のオーナーに引き継ぐ大切なプロセスです。

しかし、手続きや契約内容を甘く見て進めると、後々大きなトラブルに発展することもあるので、特に注意すべき5つのポイントを解説します。

  1. 契約内容は細部まで明文化する
  2. 名義変更・許認可の手続きに注意
  3. 譲渡益にかかる税金の確認を
  4. 従業員・顧客への配慮も忘れずに
  5. 無理に一人で進めないことが最大のリスク対策

1.契約内容は細部まで明文化する

もっとも重要なのは、「契約書の内容を明確にすること」です。

曖昧な表現や口頭での取り決めはトラブルのもとになるので、以下の点を明文化しましょう。

  • どこまでが譲渡対象か(設備、営業権、SNS、顧客情報など)
  • 営業中の売上や費用の処理方法
  • 譲渡後の競業避止義務の有無と範囲

このような内容は、すべて書面で残しておきましょう。

2.名義変更・許認可の手続きに注意

飲食店営業許可やテナント契約、リース契約など、多くの契約や許認可には名義変更の手続きが必要です。

特に2023年12月の制度改正により、一定条件下で営業許可の名義変更が可能になりました。

とはいえ、自治体によって運用が異なるため、事前に管轄の保健所へ確認することが重要です。

厨房設備のリース契約やPOSシステムなども、譲渡時に契約変更または再契約が必要な場合があるので確認しておきましょう。

3.譲渡益にかかる税金の確認を

事業譲渡によって利益が出た場合には、税金が発生する可能性があり、個人事業主と法人の場合で異なります。

  • 個人事業主の場合:譲渡所得に対する所得税
  • 法人の場合:法人税の課税対象

また、契約書には収入印紙が必要になることがあり、契約金額に応じた印紙税(1,000円〜数万円)が発生します。

後から「こんなに税金がかかると思わなかった」とならないよう、事前に税理士へ相談することをおすすめします。

4.従業員・顧客への配慮も忘れずに

店舗の譲渡は、従業員や常連客にとっても大きな変化なので、店舗に関わる人すべてにネガティブな印象をあたえないような配慮が必要です。

例えば、従業員には早めに情報を共有し、雇用の継続や労働条件について丁寧に説明しましょう。

顧客には「営業は続きます」といったポジティブなメッセージを発信し、引き続きご利用いただけるような環境を整えておきます。

そして、「突然のオーナー交代」ではなく、「前向きなバトンタッチ」として受け入れてもらえるよう、誠意ある説明を心がけましょう。

5.無理に一人で進めないことが最大のリスク対策

事業譲渡には、法務・税務・契約・行政手続きなど、専門的な知識が求められます。

「費用を抑えたいから」「自分でなんとかできそう」と自己流で進めると、想像以上のリスクが潜んでいることも。

トラブルを未然に防ぐためにも、信頼できる専門家や仲介会社に相談することが、結果的に時間も費用も抑える近道になることがあります。

「自分の店の手続きはどう進めればいいんだろう?」という段階でも大丈夫ですので、お気軽に無料相談してください。

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飲食店を手放す際、「廃業してゼロ(あるいはマイナス)」にするか、「事業譲渡で資産(プラス)」に変えるか。この決断が、オーナー様の次のステップを大きく左右します。

本記事では、飲食店の事業譲渡について以下の重要ポイントを解説しました。

  • 定義: 内装だけでなく、ブランドやノウハウも売却する手法
  • メリット: 廃業コスト削減と譲渡益の獲得、従業員の雇用維持
  • 手順: 解約予告を出す前に検討・マッチングを開始する
  • 法改正: 営業許可の承継が可能になり、手続きがスムーズに
  • 注意点: 契約の明文化と、家主への交渉が最大のハードル

事業譲渡は、単なる金銭のやり取りではなく、情熱を注いだお店の「暖簾(のれん)」を次の事業者に託す行為です。

だからこそ、後悔のない取引にするために、正しい知識と信頼できるパートナーが必要です。

「店舗売却ドットコム」では、1,600件を超える飲食店の売却支援実績があります。
「まだ売ると決めていないけれど、話だけ聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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株式会社Food Innovators Japan 取締役 今井康仁

監修者:今井 康仁(株式会社Food Innovators Japan 取締役)


飲食業界に20年以上携わり、現在はFood Innovators Japanで店舗売却支援や開業サポート、経営改善などに取り組んでいます。現場経験をもとに、事業者の皆さまに役立つ情報をお届けします。