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 【2026年最新】飲食店の原状回復とは|費用や売却の注意点を解説

投稿日:2025/12/19

飲食店の閉店や移転を決断した時に、必ず検討しなくてはいけないのが「原状回復」です。

特に2026年現在では、建設業界の人手不足や2026年1月施行の廃棄物処理法改正などによる規制強化により、解体・撤去費用は上昇傾向にあります。

本記事では、原状回復の基礎知識から、最新の費用相場、そして最大数百万円の原状回復費用を削減し、手元資金を残すための「居抜き売却」という選択肢について、網羅的に解説します。

最後までお読みいただくと、原状回復だけではなく、「居抜き」という手法も検討できるようになります。


飲食店の原状回復とは

飲食店の原状回復といっても、明確な意味や、具体的に「何をどの状態に戻すか」など、明確に把握できている方は多くありません。

ここでは、原状回復の定義や一番大事なポイントである契約書の確認方法を見ていきましょう。

そもそも原状回復とはどういう意味なのか

飲食店の原状回復とは、賃貸借契約が終了し物件を明け渡す際に、物件を借りた方の負担で、店舗を入居時の状態(または契約で特約された状態)に完全に戻すことを指します。

多くの経営者が誤解しがちですが、事業用物件(店舗・オフィス)の原状回復は、一般的な住宅賃貸とはルールが根本的に異なります。

飲食店舗などの事業用物件では、民法第621条および契約書の特約に基づき、経年劣化に関わらず借主が修繕・撤去義務を負うケースがほとんどなので注意しましょう。

何を戻すのか

具体的に原状回復の対象となるのは、「借主が入居後に設置・変更したすべてのもの」です。

一般的には以下の項目が工事対象となるので参考にしてください。

  • 造作・内装の撤去
    • 間仕切り壁、床材、天井、カウンター、座敷などの解体・撤去。
  • 厨房機器や家具の撤去
    • 冷蔵庫、コールドテーブル、シンク、椅子、テーブルなどの搬出と適正処分。
  • 給排水・ガス・電気の増設や配線の撤去・復旧
    • 床上げして配管したグリーストラップや排水管の撤去。
    • 増設した電気容量や配線の初期化。
  • ダクト・換気設備の撤去や復旧
    • 特に焼肉店やラーメン店などの重飲食で設置した大型排気ダクトの撤去 。   
  • 看板・外装の撤去
    • ファサード、突き出し看板、ウィンドウサインの撤去と壁面補修。
  • 清掃、必要に応じた補修
    • 油汚れの特別清掃、アンカーボルト跡の補修など。
    • ※2026年の石綿(アスベスト)規制強化により、これら工作物の事前調査には「有資格者の配置が必須」となっています。

原状回復で一番大事なのは「契約書」

原状回復の範囲と費用を決定づけるのは、法律よりもまず「賃貸借契約書」です。

ここで特に確認すべきなのが、「特約条項」の欄です。
万が一、入居時の状態に関わらず「スケルトン(コンクリート打ちっぱなしの状態)にして返還すること」などと記載されていると、たとえ居抜きで入居していたとしても、退去時には全てを解体し、スケルトンに戻す義務が発生します。

とはいえ、あとで解説しますが、貸主である大家に交渉し「居抜き(造作譲渡)での売却」が認められた場合には、スケルトンに戻さなくてよい可能性もあります。

「スケルトン返し」と「居抜き」の違い

退去の方法には、大きく分けて「スケルトン返し」と「居抜き」の2つがあります。

また、スケルトン返しは原状回復、居抜きは造作譲渡とほぼ同意義となります。

以下に、2つの違いを表す表を作成したので、比較してみましょう。

項目スケルトン返し(原状回復)居抜き(造作譲渡)
定義内装・設備を全て撤去し、何もない状態(コンクリート)に戻すこと内装・厨房機器・設備をそのまま次の借主に引き継ぐこと
費用数百万円の解体工事費が発生(借主負担)原則0円(工事不要のため)
収益廃棄処分のため0円(むしろ処分費がかかる)売却益が出る可能性あり(造作譲渡金)
工期解体工事期間が必要(家賃発生期間が伸びる)解約日まで営業可能なケースが多い

このように、スケルトン戻し(原状回復)は「損失」であり、居抜き(造作譲渡)は「コスト削減+利益」を得られる可能性があります。

原状回復は必ず業者に頼むべき

「費用を浮かすために、できる範囲で自分で解体や撤去をしたい」と考える方もいますが、飲食店における自己判断・自己施工は極めて危険です。

  • 法的リスク
    • 飲食店などの事業者から出るごみは事業系ごみと定義され、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に大別されているので、これらをきちんと分別して廃棄する必要があります。
    • 廃棄物処理法違反(不法投棄)や、フロン排出抑制法(業務用エアコン・冷蔵庫の処分)への違反は、重い罰則対象となります。
  • 損害賠償リスク
    • 素人による解体作業で、ビルの共用配管を傷つけたり、漏水を起こしたりした場合、原状回復費用を遥かに超える損害賠償を請求される可能性があります。
  • 指定業者の壁
    • そもそも、ビル側が施工業者を指定している場合(B工事)、勝手な工事は「契約違反」となります。

上記のように、あまり知識がないままでの解体や撤去は、法的・損害賠償リスクが非常に高まります。

そのため、原状回復工事を行う場合、あるいは原状回復を回避して居抜き売却をする場合も、「飲食店に特化した業者に依頼する」ことが不可欠です。

店舗売却ドットコムでは、一都三県を対象で飲食店に特化したい「居抜き売却のサポート」をしております。

管理会社(もしくは大家)との「居抜き交渉」や「造作譲渡先の探索」など、居抜き売却に関わるすべてのサポートが可能です。

無料相談も受け付けておりますので、「うちの店舗は居抜き売却の対象なのかな…」という方でも、まずはお気軽にご相談ください。

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原状回復費用の相場

2026年現在、資材価格と人件費の高騰により、原状回復工事の相場は数年前に比べて上昇しています。

具体的な工事の基本内容や相場などをみていきましょう。

原状回復工事の基本内容

見積もりに含まれる、一般的な原状回復工事の基本内容は以下の通りです。

  1. 仮設工事:養生、足場設置など。
  2. 解体工事:内装、造作、床、壁、天井の解体。
  3. 設備撤去工事:電気、ガス、水道、空調、ダクトの撤去。
  4. 廃棄物運搬・処理費:産業廃棄物の分別と処分(※2026年法改正により化学物質の管理コストが増加)。
  5. 諸経費:現場管理費、申請手続き費など。

工事内容によっては、上記以外の内容も含んできます。もし、内容が不透明な場合は「本当に必要な工事なのか」をその都度確認しましょう。

原状回復費用の相場と坪単価

業態によって設備重量や汚れ具合が異なるため、坪単価には幅があります。以下は一都三県における2026年の目安です。

業態坪単価の目安費用の傾向
重飲食
(焼肉・中華・ラーメン)
10万〜20万円 / 坪ダクト、グリストラップ、床の油汚れ除去など工事範囲が広く高額になりやすい。
軽飲食
(カフェ・バー)
5万〜10万円 / 坪厨房機器が少なく、内装も簡易な場合が多いため比較的安価。
一般店舗
(物販・サロン)
3万〜6万円 / 坪特殊設備が少ないため、解体・処分費が抑えられる。

上記はあくまで参考程度になりますが、たとえば20坪の焼肉店であれば、200万円〜400万円の原状回復費用が見込まれます。

これは閉店時の資金繰りにおいて致命的な出費になるので、店舗の閉店を検討する際は資金が底を尽きる前に「早めに行動する」ことが非常に重要です。

原状回復費用を削減するポイント

年々、原状回復費用が高騰していることはお分かりいただけたと思います。

ここでは、閉店・移転時にかかる原状回復費用を抑え、手元の資金を守るために3つの重要なポイントを解説します。

ポイント① 居抜き・造作譲渡を最初に検討

最も効果的な削減方法は、「原状回復工事そのものをなくすこと」です。

次のテナントに内装や設備をそのまま引き継ぐ「居抜き(造作譲渡)」が成立すれば、解体費用はゼロになります。

さらに、厨房機器などの資産価値が認められれば、100万円〜300万円程度の「造作譲渡金」を受け取れる可能性も。

ただし、すべての店舗が売却できるわけではないので、まずは店舗売却の専門家に「居抜きで売れるか」の相談をしてみることをおすすめします。

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ポイント② 厨房機器・什器は「売却/買取」で相殺

もし原状回復工事が避けられない場合でも、厨房機器や家具を解体業者に「ゴミ」として処分してもらうと、数十万円の費用がかかることがほとんどです。

製氷機、コールドテーブル、椅子など、状態が良い場合は、専門の中古買取業者に相談することで、現金化できる可能性もあります。

解体費用の総額から、買取金額分を相殺することで、実質的な持ち出しを減らすことが可能です。

ポイント③ 契約書と特約を精読

「契約書にスケルトン戻しと書いてあるから無理だ」と諦める前に、まずは居抜き売却の専門家に相談してみましょう。

古い契約や、不当に借主に不利な特約は交渉の余地がある場合が多く、実は専門家を通して交渉をしてもらうことで、居抜きとして売却することも可能になるケースが多いんです。

居抜き売却に専門知識がない飲食店のオーナーの方が直接交渉すると、難航する確率が上がってしまうので、注意しましょう。

本記事では、原状回復の基礎知識から、最新の費用相場、そして手元資金を残すための「居抜き売却」について解説しました。

2026年に入り、原状回復工事費用だけでなく、さまざまな物価や人件費なども高騰しています。

「解体見積もりが高すぎる」
「閉店費用が払えないかもしれない…」

といった事態を避けるためにも、まずは飲食店の居抜き売却に特化した専門家に相談することを強くおすすめします。

この記事を読み、居抜き売却をうまく活用することでご自身の大切な資産を守り、次のステップへ進んでいただければ嬉しいです。

「店舗売却ドットコム」では、1,600件を超える飲食店の売却支援実績があります。
株式・事業譲渡だけでなく、「店舗・居抜き売却」を検討している方も、お気軽にご相談ください。

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株式会社Food Innovators Japan 取締役 今井康仁

監修者:今井 康仁(株式会社Food Innovators Japan 取締役)


飲食業界に20年以上携わり、現在はFood Innovators Japanで店舗売却支援や開業サポート、経営改善などに取り組んでいます。現場経験をもとに、事業者の皆さまに役立つ情報をお届けします。