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【2026年最新】店舗の撤退|居抜き売却・費用・ステップを解説

投稿日:2025/12/12

店舗の撤退をする際、店舗を借りた時の状態に戻す「原状回復工事費用(スケルトン戻し)などの退去費用で、数百万円規模の閉店費用がかかります。

しかし、これらの多額な費用を「居抜き売却」という手法で原状回復工事費用をゼロにするだけでなく、手元に利益を残せる可能性も。

本記事では、店舗撤退の定義から主な費用、普通の撤退方法と居抜き売却との比較、居抜き売却のメリット・デメリット、そして具体的なステップを網羅的に解説します。

最後までお読みいただくと、普通に閉店するよりも金銭的・精神的に負担を減らして撤退する方法がわかります。


店舗の撤退とは

店舗の撤退とは、単に営業を停止して鍵を返すことではありません。

賃貸借契約の解約、行政への廃業届出、従業員の解雇、そして原状回復工事(スケルトン戻し)など、多岐にわたる手続きが発生します。

撤退方法には大きく分けて、以下の2つがあります。

  • スケルトン撤退
    • 内装や設備をすべて解体・撤去し、コンクリート打ちっぱなしの更地に戻して返還する。

  • 居抜き売却(造作譲渡)
    • 内装や設備(造作)に価値を認めさせ、それらを次の入居者に有償で譲渡する。

それでは実際に店舗撤退でかかる主な費用をみていきましょう。

店舗撤退でかかる主な費用とチェックリスト

店舗を撤退する際、実際に「何に」「いくら」かかるのかを正確に把握することが必要です。

特に2025年以降、建設資材の高騰と人手不足により、原状回復費用は過去最高レベルに高騰する傾向にあります。

原状回復工事の費用(坪単価の目安と注意点)

通常、賃貸借契約では、退去時に内装や設備をすべて撤去し、入居時の状態(スケルトン)に戻す「原状回復義務」が借主に課されています。

2026年現在の目安としては、以下の坪単価が相場となっています(一都三県の場合)。

  • スケルトン解体(飲食店): 坪あたり10万円前後

上記はあくまで目安ですが、焼肉店や中華料理店など、ダクト設備が大掛かりな場合や、個室が多い、床のコンクリートのハツリ工事が必要な場合は、さらに費用が上乗せされるため注意が必要です。

解約予告期間分の賃料・違約金

店舗や事務所の賃貸借契約には必ず「解約予告期間」が設けられています。この期間は住居とは異なり、「3ヶ月前〜6ヶ月前」の予告が一般的です。

解約予告をしたからといって、すぐに家賃支払いが止まるわけではありません。以下のコストに注意しましょう。

  • 空家賃の発生
    • 契約終了までの数ヶ月間は、たとえ閉店していても家賃を払い続ける必要がある。
      たとえば家賃50万円で予告期間が6か月の場合、営業していなくても300万円の支払い義務が生じる。

  • 違約金
    • 中途解約不可物件だと、残期間分を「違約金」として請求と契約書に明記されている場合がある。
    • 契約から1年以内に解約する場合、「短期解約違約」として別途賃料1ヶ月などがかかるケースもある。
    • 新しい商業施設などで、契約締結から契約期間開始までに時間がある場合、その間に解約すると発生する「契約開始前違約金」が発生する場合もある。

リース・ローン・在庫処分などその他の費用

物件に関わる費用以外にも、厨房器具などのリースや閉店に伴う廃棄物のその他の費用も発生します。

  • 厨房機器・設備のリース残債
    • リース契約は原則中途解約ができないので、撤退時には残りのリース料を一括で支払う、もしくは契約を次テナントに引き継いでもらう必要があります。

  • 廃棄物の処理費用
    • 余った食材や、不要になった不要になった什器(机・椅子など)を産業廃棄物として処理するにも多額の費用がかかります。

  • 従業員への手当
    • 解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)など、労務関連の支出も忘れずに含める必要があります。
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店舗の撤退費用を比較|居抜き売却をする場合 vs しない場合

通常通り店舗を撤退すると、多額の閉店費用がかかることはおわかりいただけたかと思います。

ここでは、実際に居抜き売却をした場合としなかった場合の通常閉店を比較しました。

居抜き売却をした場合 vs しない場合

前提:契約時の保証金300万円(6ヶ月)、家賃30万円・20坪の場合

項目通常閉店居抜き売却をする場合
保証金返還額+2,400,000円+2,400,000円
保証金償却(2ヶ月)-800,000円-800,000円
原状回復費用-2,800,000円(坪10万円)0円(原状回復不要)
撤退までの家賃(6ヶ月)-2,400,000円0円(早期引き渡し可能)
売却代金0円+2,500,000円
合計金額-3,600,000円
(360万円の持ち出し)
+4,100,000円
(410万円が手元に残る)

このように、居抜き売却は「工事費などの支出削減」と「売却益という収入」を同時に実現できるため、撤退コストを大幅に圧縮するどころか、最終的にプラス(黒字)で終われる可能性もあります。

前述した通り、店舗を撤退する際に居抜き売却をすると、多くのメリットがあります。

その一方で、理解しておくべきデメリットやリスクも存在します。

ここでは、居抜き売却におけるメリット・デメリットの両方をみていきましょう。

居抜き売却の基本

居抜き売却の基本

居抜き売却とは、内装・厨房機器・空調設備などの「造作」を残したまま、次のテナント入居者に有償または無償で譲り渡す手法です。

法的には、大きく以下の3つの契約が連動して、居抜き売却が成立します。

  • 旧テナントと貸主(大家)での「賃貸借契約の解約」
  • 新旧テナント間での「造作譲渡契約」
  • 新テナントと貸主での「賃貸借契約の契約」

上位以外にも売却・譲渡内容によっては、その他の手続きも必要になる可能性があります。

居抜き売却について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

店舗撤退時の居抜き売却のメリット

店舗撤退時の居抜き売却のメリット

店舗撤退時の居抜き売却のメリットは多くありますが、ここでは特に重要な3つを解説します。

①閉店コストの最小化

「居抜き」の状態で引き継ぐため、数百万円かかる原状回復工事費と、工事期間中の空家賃を削減できるのが最大のメリットです。

②造作譲渡代の売却益の獲得

内装、厨房機器、什器などを資産として売却できると利益を獲得できます。2026年現在、新規出店の内装費が高騰しているため、すぐに営業できる居抜き物件の資産価値は相対的に上がっています。

③スピード撤退

買い手が見つかれば、解約予告期間を待たずに早期に賃貸契約を終了できる場合があります。

また、居抜き売却の仲介業者が自社でも買取ができる場合は、最短2週間で売却が成立するケースもあります。

これらの他にも居抜き売却のメリットを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

店舗撤退時の居抜き売却のデメリット

店舗撤退時の居抜き売却のデメリット

メリットに伴い、必ずリスクやデメリットもあります。同じく3つに分けて解説します。

①買い手がつかない可能性

ご自身の店舗を売却に出したとしても、立地や条件によっては買い手がつかない可能性もあります。

時間を無駄にしないためにも、ご自身の業態に特化した信頼できる仲介業者に依頼し、適正価格で募集することが非常に重要です。

②見えない部分の老朽化

内見時に内装や設備に問題がなさそうに見えても、壁や床の内部に隠れた排水管、ガス管などの重要設備が老朽化している可能性があります。

後々のトラブルを防ぐため、可能な範囲で設備の動作確認や、メンテナンス履歴の整理を行っておきましょう。

③譲渡後のトラブル

引き渡し後に「エアコンが壊れていた」「エアコンが動かない」「リース品が含まれていた」などのクレームが発生する可能性があります。

契約書での責任範囲(瑕疵担保責任など)を明確にしておくことをおすすめします。

さらに居抜き売却のデメリットを知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

居抜き売却で店舗撤退するステップ

居抜き売却を成功させるためには、正しいステップで手続きを始めることが不可欠です。

いきなりご自身での買い手探しや、貸主である大家へ解約通知を出してしまうと、最悪の場合、売却ができず数百万円の原状回復費用を支払うことになることも。

そうならないためにも、ここではステップを4つに分けて解説します。

ステップ① 撤退の時期と条件を整理(契約書チェック)

まずは、賃貸借契約書の以下の項目を確認をしましょう。

  • 解約予告期間: 解約予告期間が「3ヶ月前」か「6ヶ月前」かを確認しましょう。これにより、撤退までのタイムリミットが決まります。
  • 原状回復区分: どこまで入居時の状態に戻す必要があるかと、特約事項に「造作買取請求権の放棄」や「スケルトン返し」の記載があるかを確認しましょう。
  • 更新時期: 更新料や更新手数料が発生するタイミングを避けられるか確認します。

これらの情報により、最適な売却スケジュールが変わってきます。

ステップ② 居抜き売却の相談・査定(連絡〜ヒアリング)

居抜き売却をする際は管理会社に解約通知を出す前に、「居抜き売却を専門としている業者へ相談」をしましょう。

もし先に管理会社に解約通知を出してしまうと、その物件は「空き家予定物件(スケルトン募集)」として不動産業界内で流通してしまいます。

一度スケルトン募集として市場に出ると、後から「やっぱり居抜きにしたい」と交渉しても、貸主が認めないリスクが高まります。

店舗売却ドットコムでは、一都三県を対象に飲食店の店舗売却に特化したサポートを行っております。

一人の営業担当が最初から最後までお客様に寄り添ったサポートをするのはもちろん、自社での直接買取も行なっているため、仲介だけでなく幅広い売却手法のご提案が可能です。

無料相談・無料査定も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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ステップ③ 貸主への承諾・条件調整

買い手候補の目処が立つ、あるいは専門業者のサポートが決まったら、貸主への打診を行います。

賃貸借契約書の中には「造作譲渡禁止」や「転貸禁止」といった条項が含まれていることがほとんどです。

しかし、この打診をする際に、実績のある仲介業者が間に入り「優良な後継テナントを紹介できる」などのメリットを提示することで、特例として造作譲渡の許可が得られるケースが多いのです。

そのため、ご自身でいきなり連絡をするのではなく、仲介業者を通して連絡してもらうことを強くおすすめします。

ステップ④ 売却成立〜引き渡し・原状回復範囲の確認

1.造作譲渡契約の締結: 売主と買主の間で、内装や設備などの造作の売買契約を結びます。リース品が含まれていないか、故障している設備はないか、リストをもとに最終確認しておきましょう。

2.賃貸借契約の解約・新規契約: 売主の解約と買主の新規契約を同日に行います。

3.引き渡し: 最終営業終了後、私物や譲渡以外のものを撤去し、清掃を行ってから仲介業者(または貸主)に鍵を渡して完了となります。

うまくいく居抜き売却のポイント

居抜き売却をするには信頼できる仲介業者に依頼するのはもちろんですが、さらに成功率を高めるためのポイントがあります。

ここでは、特に重要な4つのポイントを解説します。

動き出すタイミングを間違えない

資金が完全に尽きてから店舗の撤退をするのはあまりに危険です。

家賃を滞納している状態では、貸主に対する信用がなくなり交渉力がゼロになるため、居抜きの承諾を得ることは絶望的になるケースがほとんどです。

「まだ数ヶ月は営業できるが、先行きが見えず撤退を検討中…」といったタイミングこそが、最も有利かつ高く売却できる可能性があります。

そのため、閉店を考えている3〜6ヶ月前には業者に相談するようにしましょう。

「いくらで売りたいか」より「いくら残したいか」から考える

多くの経営者が「内装に1,000万かけたから、300万では売りたくない」と価格に固執してしまいがちです。

しかし、感情的になって高値にこだわると、売却のチャンスを逃し、失敗する確率が上がります。

万が一、売却が失敗してスケルトン撤退になった場合、以下のような計算になります。

  • ケースA(居抜き成功)
    • 売却額 10万円 + 原状回復費用 0円 = 実質 +210万円の利益(解体費200万浮いた分を含む)
  • ケースB(売却失敗)
    • 売却できずスケルトン解体(費用 200万円) = ▲200万円の損失

上記のように、たとえ少額(あるいは0円)での譲渡だったとしても、原状回復費用が0円になるだけで数百万円のメリットがあることを忘れないようにしましょう。

業者選びは慎重に行う

店舗の居抜き売却は、専門的な知識(厨房防水、ダクト容量、保健所要件など)が必要なため、住居メインの一般の不動産会社では適切に取り扱うことができないケースが多いです。

そのため、ご自身が運営している店舗の業態の居抜き売却の実績がある業者に依頼するようにしましょう。

店舗売却ドットコムは、1,600件以上の飲食店の店舗売却に特化したサポート実績があります。

「手数料完全無料(※直接買取等の場合)」や「スピード査定」など、オーナー様に寄り添ったサービスを提供しています。

無料相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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個人保証・保証金・原状回復の条件は、早めにざっくり整理しておく

撤退をする際、契約上の条件は早めに整理しておくことが大事です。

居抜き売却はタイミングが非常に重要です。

「いざ」という時に賃貸借契約書が見当たらない、保証金の償却(引き)を計算に入れておらず資金がショートする、といった事態は避けなければなりません。

賃貸借契約書以外にも、保証金預かり証、リース契約書、借入金の返済予定表など、あらゆる書類をざっくりでもいいので一箇所にまとめておきましょう。

本記事では、店舗の撤退の定義から主な費用、通常の撤退方法と居抜き売却との比較、居抜き売却のメリット・デメリット、そして具体的なステップを解説してきました。

2026年の厳しいコスト環境下において、店舗の撤退で「居抜き売却」を選択することは、大切な資産を守り、次の挑戦へ備えるための「戦略的な経営判断」といえます。

成功のためには、動き出すタイミング(解約通知前)が非常に重要になってきます。

まずは、ご自身の店舗が「今いくらの価値」があるのか、リスクのない無料査定から始めてみましょう。

「店舗売却ドットコム」では、1,600件を超える飲食店の売却支援実績があります。
株式・事業譲渡だけでなく、「店舗・居抜き売却」を検討している方も、お気軽にご相談ください。

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株式会社Food Innovators Japan 取締役 今井康仁

監修者:今井 康仁(株式会社Food Innovators Japan 取締役)


飲食業界に20年以上携わり、現在はFood Innovators Japanで店舗売却支援や開業サポート、経営改善などに取り組んでいます。現場経験をもとに、事業者の皆さまに役立つ情報をお届けします。