お役立ち情報USEFUL INFORMATION
おすすめ
お役立ち情報
投稿日:2026/01/22

飲食店の閉店や移転の伴い、退店方法の選択肢として候補に挙がるのが「店舗の売却」。
その店舗売却で、極めて重要な役割を果たすのが「造作譲渡契約」です。
ただし、ネット上のテンプレートや雛形をやみくもにダウンロードし、埋めるだけで済ませると、前提条件のズレや記載漏れから後々トラブルに発展する可能性があります。
この契約次第で、売却価格が左右されるだけでなく、法務・税務上のリスクも大きく変わります。
本記事では、テンプレート利用前に確認すべきポイントを押さえつつ、造作譲渡契約の基礎から有効な契約書の作り方、トラブル回避の注意点までを専門的に解説します。

「造作譲渡」と「居抜き」は同じ意味で語られがちですが、実は指しているものが違います。
結論から言うと、
です。
この違いを正しく理解していないと、不動産会社や買主との交渉で話が噛み合わず、契約トラブルの原因となります。

つまり、「居抜き」という箱の状態の中で、「造作譲渡」という中身の契約やり取りが行われる関係性になります。

造作譲渡は「居抜きで残すもの」を売買する契約です。
テンプレートの流用や当事者同士の口約束で進めると、対象範囲・金額・責任の所在が曖昧になり、引き渡し後に認識違いが表面化しやすくなります。
とくに以下のポイントは、店舗ごとの事情で変動しやすいので、事前整理が欠かせません。
そのため、売却を「高く・早く・揉めずに」成立させるには、店舗売却に慣れた仲介業者などに相談し、契約条項と明細(譲渡対象リスト)を必ずチェックしてもらうのが確実です。
買い手の不安が減り交渉が進みやすくなるだけでなく、想定外の撤去費用や追加調整を抑えやすくなります。

「テンプレで進めたら貸主の承諾で止まった」「引渡し後の機器トラブルに対応できなかった」など、居抜き・造作譲渡の店舗売却は、雛形を埋めるだけでは想定外のつまずきが起きやすい取引です。
以下によくあるミスやトラブルをまとめましたので、進める前に必ずチェックしてください。

無料のテンプレートや雛形では、造作譲渡契約の成立が「貸主による賃貸借契約の承諾」を前提とする「停止条件付契約」になっていないケースがあります。
万が一、貸主の承諾が得られない場合、先に支払った代金の返還交渉が難航するだけでなく、契約が白紙に戻るまでの時間的損失(空家賃の発生など)が甚大になる可能性も。
また、新賃借人(買い手)の賃料が想定より高く設定され、交渉が破談になるリスクもあります。
ただし、あえて停止条件付契約をつけていない場合もあるので、気になる方は仲介業者に相談してみましょう。

テンプレートに添付されている目録が「冷蔵庫 一式」といった抽象的な記載だと、引渡し当日に「聞いていたものと違う」「備品が足りない」といったトラブルに直結します。
リース品ではないことを確認した上で、型番、数量、動作状況(不具合の有無)まで明記した「造作譲渡品目録」を契約書に添付するようにすると安心です。
記載が曖昧だと、最悪の場合、引渡し後の減額要求や損害賠償請求に発展する恐れもあるので注意しましょう。

飲食店では、ビールサーバーや製氷機、POSレジなどが、リース・レンタル品であることが比較的多いです。
これらを自社の所有物と誤認して譲渡対象に含めてしまうと、契約そのものが成立しなくなってしまうケースも。
引渡し直前にリース会社からの指摘で発覚するケースも多く、買主との再交渉や代替品の購入費用が発生し、売却スケジュールが大幅に遅延する原因となります。

2020年の民法改正により「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと変更されました。
古い雛形ではこの法改正が反映されておらず、「現状有姿(あるがままの状態)」と記載するだけで、引渡し後に隠れた不具合(例:給排気設備の深刻な詰まり、空調の基幹部品の故障など)が発覚した際の責任の所在が曖昧になりがちです。
責任を負う期間や範囲を明確に定義しないと、高額な修繕費用をどちらが負担するかで深刻な紛争となる可能性があるので注意しましょう。

課税事業者の場合、造作譲渡の売買代金には消費税がかかります。
契約書に「税込」「税抜」の記載が漏れているだけで、取引額によっては、あとから数十万円単位の認識齟齬が生まれてしまうケースも。
また、紙の契約書には売買金額に応じた収入印紙の貼付が必要であり、それを怠ると過怠税の対象となってしまいます。
また、近年増えている電子契約の場合、印紙は不要ですが、法的に有効な電子署名サービスを利用しなければ契約の証拠力が問われるリスクもあります。
①承諾待ちで2週間ストップ
テンプレで先に契約・入金した結果、貸主審査でNG。返金交渉に時間がかかり、再募集の広告費や仲介手数料が二重発生。
内見調整の人件費、空家賃・原状維持費も上乗せ。結果、想定利益を食いつぶす“見えないコスト”に。
②リース機器の混在
リース満了前の製氷機を目録に入れてしまい名義移転不可。残債清算金の支払い、代替機の緊急レンタル費、撤去・搬出費が追加発生。
再合意のための契約書差替えや立会いも必要となり、スケジュール遅延による人件費が膨張。
③引渡し後の排気不良
「現状有姿」だけで検査手順が未整備。引渡し後に排気不良が発覚し、ダクト改修・グリストラップ清掃等の想定外工事費が発生。
営業開始を遅らせた休業損失に加え、原因特定や過失割合争いのための専門業者調査費・弁護士相談費まで負担。
無料の雛形だけで進めると、貸主承諾待ちや目録漏れ、リース混在、検査不足などで返金交渉・追加工事・二重手数料が発生しがち。
先ずは最初に専門業者への無料相談などを活用し、手戻りと余計な費用をまとめて防ぎましょう。

法的に不備のない造作譲渡契約書を作成するために、契約締結に至るまでの具体的な注意点と、売却プロセス全体をスムーズに進めるための方法を見ていきましょう。
-1024x580.png)
契約交渉に入る前の準備を怠ると、交渉の最終段階で破談になる、あるいは契約後に深刻なトラブルに見舞われるリスクが高くなります。
そのため、買主を探し始める前に、以下の3点を必ず書面で確認し、整理しましょう。
譲渡対象となる厨房設備や空調、給排気設備などがすべて正常に動作するかを必ず確認しましょう。
もし不具合がある場合は正直にリストへ記載し、修理費用を考慮した価格設定にするか、買主側で修繕する前提で交渉に臨むかの方針を固めておきましょう。
店舗にある資産が、すべて自社の所有物とは限りません。
製氷機、ビールサーバー、POSレジ、複合機などはリース契約やレンタル品であるケースが多いので、契約書を精査し、所有権が自社にないものはリストから完全に除外しましょう。
最も重要かつ、すべての土台となるのが「貸主の承諾」です。
口頭での許可だけではなく、新たな賃借人への賃貸借契約の切り替え(または承継)と、造作の売買を許可する旨は書面で承諾を取ることが望ましいです。
同じスペックの物件であっても、少しの工夫で買主への印象は大きく変わり、査定額や売却スピードに直結します。
店舗を高く売却するには、まず徹底した清掃で「大切に使われてきた印象」を与えることが重要です。
さらに、厨房機器や空調設備のメンテナンス記録を提示し、設備の価値を客観的に示しましょう。
造作譲渡でよくあるトラブルの一つが、貸主の承諾を口頭で済ませてしまい、あとになって白紙になるケースです。
実際には「事業計画に合わない」などの理由で貸主が態度を変えることがあり、買主・売主の双方が大きな損失を被ってしまうケースも。
トラブルを避けるためには、新規契約者の業態や条件を明記した「承諾書」を書面で取得することをおすすめします。

造作譲渡は、思い立ってすぐに完了するものではなく、計画的に進めるために、全体の流れと必要期間を把握しておきましょう。
【売却までの標準的な6ステップ】
ステップが多いため、店舗の引き渡しまでは、一般的に3ヶ月〜半年程度はかかります。人気物件でスムーズに進んだとしても、最低2ヶ月は見ておくと良いでしょう。
この複雑で時間を要するプロセスを、日々の店舗運営と並行して経営者ご自身で進めるのは、多大な労力と時間を要します。
「店舗売却ドットコム」では、お忙しい経営者様の煩雑な手続きを、代理人として一括でサポートしております。「何から始めればいいか分からない」という方のためにも無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
本記事では、飲食店の造作譲渡契約について、基礎知識から契約書の作り方、そして失敗しないための実務的な注意点までを網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントを改めて確認しましょう。
造作譲渡は、法務・税務・不動産の知識が複雑に絡み合う専門的な取引なので、信頼のおけるパートナーと一緒に進めることが成功の鍵です。それが、ご自身の貴重な資産を守り、その価値を最大化するための最善策となります。
「店舗売却ドットコム」では、1,600件を超える飲食店の売却支援実績があります。
居抜き売却を検討している方はもちろん、居抜き物件を探している方は、お気軽にご相談ください。
1

【2026年最新】飲食店が赤字になる主な原因10選|対策や解決方法を紹介
2

【2025年最新】飲食店舗を売却する方法|基礎知識や相場を紹介
3

【2025年最新】飲食店の居抜き物件とスケルトン物件の違いとは?メリット・デメリットなどを徹底比較
4

【2026年最新】飲食店の居抜き売却とは|メリットやデメリットを徹底解説
5

【2026年最新】飲食店の造作譲渡契約とは|雛形やテンプレートの注意点と契約書の作り方を解説
6

【飲食店の落とし穴】満席になれば良いわけじゃない!お客様からの評価を上げ続ける秘訣
7

【2026年最新】飲食店の事業譲渡とは|手順・必要書類・料金を徹底解説
8

【2025年最新】飲食店の株式譲渡(法人譲渡)とは|メリット&デメリットを徹底解説
9

【2026年最新】飲食店のバイトがすぐ辞める理由7選|人手不足が続いたときの対策と出口戦略
10

厨房が暑すぎる!熱中症にならないための9つの対策を紹介









