ページの上部へ

お役立ち情報USEFUL INFORMATION

おすすめ

お役立ち情報

【2025年最新】飲食店の居抜き売却の相場|地域や業種ごとに費用を解説

投稿日:2025/09/24

飲食店を経営していて「もし今、自分の店を売却したらいくらになるのだろう…」と考えたことがある方はいませんか?

飲食店の居抜き売却における「相場」は、物件の状況や景気動向、買い手の需要によって複雑に変動するため、正確な金額を知ることが難しいのが現状です。

本記事では、一都三県で飲食店を経営されている皆様が、ご自身の店舗の資産価値を正しく把握し、売却を成功させるために知っておくべき情報を網羅的に解説します。地域・坪数・業態別の具体的な金額の目安から、価格が変動する要因まで、専門家の視点で詳しく見ていきましょう。


居抜き売却の相場早見表【2025年最新版】

飲食店の居抜き売却における造作譲渡価格(店舗の内装・設備・備品などの価値)の相場を、地域別・坪数・業態別の3つ視点から紹介します。

この相場を見て、ご自身の店舗がどのカテゴリーに当てはまるかを確認することで、売却価格の大まかなイメージを掴むことができます。

※本表に記載の金額は、あくまで2025年現在の市場データに基づく目安です。実際の売却価格は、店舗の立地・内装・設備の劣化状況、賃貸借契約の条件など、無数の変数によって大きく変動します。正確な価値を算出するには、専門家による個別査定が不可欠です。

①地域別の相場

居抜き売却の相場は、地域による需要の差が大きく影響します。一都三県では、国内最大の市場である東京23区の価格が最も高くなる傾向にあり、中でも港区は坪単価が特に高いエリアです。

また、神奈川県の横浜・川崎、埼玉県のさいたま市(大宮)、千葉県の船橋・柏といった主要都市の駅周辺も人気が高く、活発な取引が行われています。

地域造作譲渡価格の相場(目安)市場の特性と考察
東京23区約250万~300万円国内最大の市場で、特に繁華街(渋谷、新宿、池袋など)では需要が常に高く、400万円を超える取引も珍しくない。競争が激しい分、物件のクオリティが価格に直結する。
港区約400万~450万円23区内で最も坪単価が高いエリア。高所得者層や法人需要が旺盛で、高付加価値型の店舗(高級レストラン、バーなど)は特に高値がつきやすい傾向にある。
東京都下(23区外)約230万~280万円23区内に比べると価格は落ち着くが、吉祥寺や立川などの主要駅周辺では再開発も進み、価格は上昇傾向。地域密着型の店舗に対する安定した需要が特徴。
神奈川県(横浜・川崎)約200万~270万円東京に隣接するベッドタウンとして人口が多く、飲食需要が安定。特に横浜駅、川崎駅周辺は23区に匹敵する価格帯で取引されるケースもある。
埼玉県(大宮など)約180万~250万円大宮駅周辺の繁華街を中心に需要が集中。ロードサイドの大型店舗なども多く、多様な業態の取引が見られる。
千葉県(船橋・柏など)約180万~250万円ターミナル駅周辺の商業エリアに人気が集中。地域住民をターゲットにした業態が多く、安定した経営実績が評価されやすい。

②坪別の相場(目安)

坪の大きさによって、開業できる業態や買い手も異なります。

坪数が小さいと、個人経営の方でも低投資で開業できるため買い手は見つかりやすい傾向にあります。一方で、坪数が大きいと、資本力のある法人でないと買えないことが多いため、買い手も少なくなる傾向にあります。

坪数造作譲渡価格の相場(目安)価値を左右するポイント
10坪未満50万~150万円テイクアウト専門店や立ち飲みバー、個人経営の小規模なバーなどに多い。低投資で開業できるため買い手は見つかりやすいが、設備が簡易的なため価格は伸びにくい。
10~15坪100万~250万円ラーメン店やカウンターメインの居酒屋など、高回転率を狙う業態に最適。効率的な動線や厨房設計が評価されれば、坪単価は高くなる傾向がある。
15~20坪150万~300万円居酒屋や焼鳥店、小規模なレストランなど、最も需要の多い標準的なサイズ。汎用性が高く、買い手候補の母数が最も大きいボリュームゾーン。
20~30坪200万~350万円客席数を確保できる焼肉店や中規模レストラン向け。特に「重飲食」に対応できる排気・給排水設備が完備されているかが価格を大きく左右する。
30坪以上300万~500万円超ファミリーレストランや大型の中華料理店、法人宴会需要を見込める店舗。充実した厨房設備や個室の有無などが評価されるが、買い手も資本力のある法人などに限定されやすい。

③業態別の相場(目安)

業態によって使用する厨房機器や内装などのデザインも大きく異なります。

中華料理店の特殊なガス台や焼肉店などの無煙ロースターは、次のテナントも同じ業態の場合は価値がある=高く売れる傾向にあります。しかし、その設備の状況や次のテナントが別の業態の場合は、逆に価値が付きづらくなってしまうこともあります。

業態造作譲渡価格の相場(目安)価値を左右するポイント(特殊設備・内装)
中華料理店約300万~350万円強力な火力に対応する厨房設備や大型の排気ダクトなど、専門的な設備投資が高額になるため、売却価格も高くなる傾向。
焼肉店約300万~350万円無煙ロースターや強力な排煙・換気設備は設置コストが高く、そのまま活用できる場合は大きな価値となる。
レストラン(洋食など)約280万~320万円清潔感のある内装デザインや、コース料理提供に対応できる厨房機器(スチコン、ブラストチラー等)の有無が評価される。
居酒屋約230万~280万円汎用性が高い一方で、店舗のコンセプトを反映した個性的な内装や屋号の認知度が価格に影響を与えることも。
カフェ・喫茶店約200万~250万円「軽飲食」に分類され、厨房設備への投資は比較的小さい。しかし、デザイン性の高い内装やこだわりの音響設備などが付加価値となる。
バー・スナック約150万~200万円小規模な物件が多く、カウンターや製氷機、音響・カラオケ設備などが主な査定対象。内装の雰囲気が特に重視される。
「高く売れるかも?」と思ったらやるべきこと

上記の早見表を見て、「自分の店は意外と価値があるかも」と感じられた方も、「思ったより低いかもしれない」と不安に思われた方もいらっしゃると思います。

しかし、先述した通り、これらはあくまで平均的なデータのため、ご自身が持つ店舗の本当の価値=最大の売却ポテンシャルは、これらの表だけでは決して測れません。

もし、少しでも「自分の店舗の価値を詳しく知りたい」と思われた方は、居抜き売却の専門家に無料相談してみましょう。

飲食店の居抜き売却に特化した専門家は、日々変動する市場データと豊富な買い手情報を基に、あなたの店舗の価値を正確に算出し、最適な売却戦略まで提案してくれます。

店舗売却ドットコムに相談
なぜ早めの無料相談が重要なのか?

居抜き売却の成功は、情報戦であり、タイミングがすべてといっても過言ではありません。

閉店を決意してから慌てて動き出すのではなく、「まだ具体的に決めていない」という段階であっても、専門家への早期相談が、最終的な売却価格を大きく左右する戦略的な一手となります。ここでは、なぜ「早めの無料相談」が重要なのか、その3つの理由を解説します。

「自分の店舗価格」は条件次第で大きく変わる

相場表はあくまで平均値です。プロの査定では、売却価格を押し上げる可能性のある、以下のような「プラス要素」を徹底的に洗い出します。

  • 賃貸借契約の有利な条件:残存期間が長い、賃料が周辺相場より安い、更新料や譲渡承諾料が低額であるなど。
  • 設備の状況:定期的なメンテナンス記録がある、主要な厨房機器の保証期間が残っているなど。
  • 目に見えない価値(デジタル資産など):**長年かけて築き上げた地域での評判、常連客の存在、グルメサイトでの高評価やSNSフォロワーなど。

これらの変数を正確に評価し、市場価値を最大化するには、専門家の知見を活用することが不可欠です。

「買い手がいるか」は市場を知らないと判断不可

どれほど価値のある店舗でも、それを「今、まさに探している」という買い手がタイミングよく現れない限り取引は成立しません。

インターネットで得られるのは、あくまで公開された情報のみです。本当に価値があるのは、専門業者が独自に保有している「どの企業が、いつ、どのエリアで売却もしくは出店を計画しているか」といった水面下の非公開情報です。

居抜き売却の専門家は、独自のデーターベースに多数の買い手候補リストを保有しています。もし、あなたの店舗情報を事前に登録しておけば、最適な買い手が市場に現れた瞬間に、最速でマッチングできる機会が大幅に上昇します。

また、資本力のある大手法人などと緊密な関係性を持つ専門家であれば、既に信頼関係が構築されているため、好条件でのスピーディーな売却が実現することもあります。

無料相談は「価格の答え合わせ」としても使える

「まだ売ると決めたわけではないが、客観的な価値だけは知っておきたい」という場合、まずは無料相談をしてみましょう。

ご自身でリサーチした相場観や本記事で得た知識が、実際の市場で通用するのか「答え合わせ」をする場としてご活用いただけます。

閉店を決意してからでは、最適な売却タイミングを逃してしまう可能性があります。今の時点でご自身の店舗の正確な価値を知っておくことは、今後の事業計画を立てる上で、極めて重要な判断材料となります。

居抜き売却とは、店舗の厨房設備や内装、什器などをそのままの状態で、次の借主(買主)へ売却(造作譲渡)する方法です。

閉店時にかかるスケルトン(原状回復)工事の費用を大幅に削減できるメリットがあります。

より詳しいメリット・デメリット、手続きの流れについては、こちらの記事をご覧ください。

価格に差が出る5つの要因

飲食店の居抜き売却価格は、同じエリア、同じ坪数であっても、査定額に数百万円の差が生まれることは決して珍しくありません。

ここでは、プロの査定担当者が必ずチェックする、価格を決定づける5つの要因を解説します。

①【立地条件】駅距離、階数、視認性が生む集客力の価値

店舗の資産価値や集客力を左右する最も基本的な要素です。

しかし、単に「駅に近い」だけでは十分ではありません。「主要な駅から徒歩何分か」「1階路面店か、空中階・地下か」「大通りに面し、看板が見やすいか(視認性)」といった点が厳しく評価されます。

周辺に競合店が少ない、あるいは近隣で再開発計画があるといった将来性も、価格を押し上げるプラス材料になります。

②【内装・設備の状況】清潔感、メンテナンス、法令遵守

買主が重視するポイントの一つで、内装の清潔感やデザイン性はもちろん、厨房設備の耐用年数やメンテナンス履歴が明確であるほど、買主は安心して投資できます。

特に、排気ダクトやグリストラップ、防災設備などが現在の法令を遵守して適切に設置・管理されているかは、査定額に大きく影響します。

そのため、売却を具体的に検討し始めた段階からでも、日々の清掃と定期的なメンテナンスを徹底することが重要です。

③【賃貸借契約の内容】優良契約の価値

売主側は見落としがちですが、賃貸借契約の内容も非常に重要です。

契約期間が長く残っている、周辺相場より賃料が安い、貸主(大家)が協力的で譲渡承諾料が低額である、といった有利な契約条件は、それ自体が数十万~数百万円の価値を持つ可能性も。

これらの価値を正確に評価し、交渉材料とするには専門家のサポートが不可欠なため、契約書は居抜き売却の専門家と一緒に確認するようにしましょう。

④【営業実績と財務状況】儲かる店舗であることの証明

造作譲渡はあくまで設備や内装の売買ですが、その場所で事業が成功していた場合は、物件の価値が高まる傾向にあります。

安定した売上・利益を示す財務諸表や、常連客の存在、グルメサイトでの高評価といった実績は、その立地が持つポテンシャルの証明になります。

⑤【売却のタイミングと市況】計画性が生む交渉力の差

時間に余裕がなく、焦って売却しようとすると、買主の言い値で取引せざるを得なくなりがちです。

「いつまでに店舗を引渡したいのか」を明確に決め、計画的に売却活動を進めることで、複数の買主候補を比較検討する余裕が生まれ、交渉を有利に進めることができます。

また、同業態の出店意欲が高まっている時期など、市場全体の追い風を捉えることも重要なので、市場を熟知した専門家に早期相談するようにしましょう。

本記事では、2025年最新のデータに基づき、一都三県における飲食店の居抜き売却の相場と、その価格を左右する要因について詳細に解説してきました。

相場観を把握し、価格変動の原因を理解することは、ご自身の店舗が持つ資産価値を最大化し、高値売却を実現するための重要な第一歩です。しかし、これらの情報はあくまで判断材料であり、個別の店舗が持つ独自の価値を正確に反映するものではありません。

最終的な売却価格は、立地、設備、賃貸借契約といった多角的な要素を専門家がどう評価し、最適な買い手候補へどうアプローチするかで大きく変わります。

より正確な査定額と、ご自身の店舗に最適化された売却戦略を知るために、まずは「店舗売却ドットコム」の無料相談をご活用ください。

「店舗売却ドットコム」では、1,600件を超える飲食店の売却支援実績があります。
居抜き売却を検討している方はもちろん、居抜き物件を探している方は、お気軽にご相談ください。

店舗売却ドットコムに相談
株式会社Food Innovators Japan 取締役 今井康仁

監修者:今井 康仁(株式会社Food Innovators Japan 取締役)


飲食業界に20年以上携わり、現在はFood Innovators Japanで店舗売却支援や開業サポート、経営改善などに取り組んでいます。現場経験をもとに、事業者の皆さまに役立つ情報をお届けします。