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2025/05/19
飲食店を経営している方で、「売上不振や人手不足により閉店を考えている」「店舗を売却しようか悩んでいる」といった方も多いのではないのでしょうか。
実際、いろいろな思いや覚悟をもって立ち上げた飲食店舗だからこそ、たとえ閉店を考えていたとしても、なかなかその決断に踏み切れない方も少なくありません。
とはいえ、店舗の状況によっては、売上を改善するために借入をして対応したとしても、結果的に閉店や、最悪の場合、自己破産に至ってしまうリスクもあるのが現実です。
この記事では、「閉店する」だけで終わらせず、飲食店の店舗を売却して利益を得る方法から、売却相場の決まり方、売却業者の選び方までをわかりやすく徹底解説します。
初めて飲食店の閉店を考えている方の中には、「そもそも飲食店の店舗を売却なんてできるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
飲食店の店舗売却とは、店舗の経営者やオーナーが、自身の店舗の設備や事業を第三者に売却することを指します。
なぜこのような売却方法が成立するかというと、「新しく飲食店を始めたいが、初期費用をなるべく抑えるために居抜き物件を探している」というニーズが一定数存在しているからです。
ただし、賃貸契約書の内容を確認せずに売却の話を進めてしまうと、法的な問題などが発生し、最終的に売却できなくなる可能性もあります。
そのため、まずはどういった店舗売却の方法があるのかを知ることから始めましょう。
飲食店の店舗売却には、主に以下の3つの方法があります。
それぞれの方法は、お店の状況やオーナーの意向によって適したケースが異なるので、以下で詳しく解説します。
飲食店の居抜き売却とは、お店の内装やイス、テーブル、厨房設備など(総称:造作)をそのまま引き継ぎたい人に売却する方法です。
つまり、スケルトンに戻す手間や費用がかからず、逆に造作譲渡代として利益を得ることができます。
居抜き売却の魅力は、スピーディーで、売り手側に設備や内装を有効活用してもらえる点にあります。
時間がない中で売却を検討している方は、実績豊富な専門業者に相談するのがおすすめです。
居抜き売却について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
店舗売却.comでは、1600件以上の居抜き売却実績があり、スピードと適正価格の両立を実現しています。お気軽にご相談ください。
飲食店の事業譲渡とは、内装や設備に加え、店名、メニュー、スタッフ、運営ノウハウなど「店舗の運営そのもの」を引き継いでもらう売却方法です。
この方法は、店舗のブランド力が強く、リピーターが多い場合に特に効果的です。
スタッフや雰囲気を維持したまま事業継続ができるため、買い手にとっても大きなメリットとなります。
どちらも「お店を売る方法」に変わりはないのですが、「何をどこまで引き継ぐか」が大きな違いです。
設備の引き継ぎだけでは「居抜き売却」、事業の継続性(ブランド・人材・オペレーション)まで引き継ぐのが「事業譲渡」です。
違いを正しく理解したうえで、自身の目的に合った方法を選びましょう。
事業譲渡について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
飲食店の株式譲渡とは、法人が運営している飲食店において、その法人の株式を買い手に譲渡し、法人ごと引き継いでもらう売却方法です。
これはいわゆるM&Aにあたる取引で、法人の実績や信用、契約、スタッフ、資産、負債などすべてを包括して譲渡する形式となります。
株式譲渡には、規模が大きくなることで得られるメリットがありますが、その一方で、契約内容やお金の流れ、税金のことなどをしっかり確認する必要があります。
自分だけで判断せず、専門家に相談しながら進めることが大切です。
飲食店の売却方法には大きく3つの方法がありますが、お店の状況、オーナーの意向、条件などにより、適した方法があることが分かったと思います。
上記を参考に、「いま運営しているお店はどんな状況なのか」を確認したうえで、「どのように売却したいのか」明確にしましょう。
以下に3つの方法を表にまとめましたので、比較材料として参考にしてください。
項目 | 居抜き売却 | 事業譲渡 | 株式譲渡(法人譲渡) |
---|---|---|---|
売却の目的 | 店舗設備を早く手放したい | 店の運営・ブランドを引き継いでもらいたい | 会社ごとまるごと売りたい |
売却対象 | 内装・厨房機器などの設備(造作) | 設備+店名・ノウハウ・スタッフなど | 法人の株式(契約・資産・負債含む) |
主な買い手 | 飲食店を始めたい個人・法人 | 飲食店舗経営を引き継ぎたい人 | 飲食業に参入したい企業・投資家 |
金額の目安 | 数十万円〜300万円前後 | 0円〜数千万円 | 数百万〜数億円 |
スピード感 | 1〜3ヶ月目安(比較的早い) | 2〜4ヶ月以上(やや時間がかかる) | 3〜6ヶ月以上(精査が必要) |
手続きの複雑さ | ★☆☆(かんたん) | ★★☆(中程度) | ★★★(複雑) |
注意点の例 | 大家の承諾が必要/設備の状態によって売れないことも | 従業員や取引先との合意が必要/引き継ぎに手間がかかる | 負債も含めてすべて引き継がれる/税務・法務リスクあり |
向いている店舗 | 小規模・個人経営・スピード優先 | 常連客が多い・ブランド力がある店舗 | 法人化済み・複数店舗・事業譲渡に慣れている |
ここでは、飲食店売却の相場が決まる主な5つのポイントを解説します。
「売れる店」「売れにくい店」の違いは何かを理解することで、より高く・スムーズに売却するための対策が可能になります。
飲食店売却の相場を決定するうえで、最も大きな影響を与えるのが「立地・地域性」です。
どんなに素晴らしい飲食店でも、この立地と地域性が良くないと評価が大きく変わってしまうので、もう少し詳しく解説します。
駅からの距離や人通りが多い通り沿いかどうか、周辺に商業施設やオフィスビルがあるかなどは重要な評価軸です。また、その地域にターゲットとなる顧客層がどれだけいるかも売却価格に影響します。
同業態の競合店が少ない地域は有利な傾向です。一方、激戦区では競争が激しく、収益性が見込めないと判断されて価格が下がることがあります。
住宅街、オフィス街、観光地といった特性に加え、再開発予定や人口動態も評価の対象になります。将来的な伸びしろがある地域はプラス査定につながります。
地域の賃料相場と比べて割安な場合、買い手からの人気が高まりやすく、売却価格も上がりやすい傾向にあります。
どのような飲食業態かによって、評価は大きく異なります。市場の流行、顧客層、そしてお店のオペレーションなどの特性なども評価のポイントとなります。
地域に根ざしたカフェや居酒屋、定食屋などは安定した収益が見込めるとして、買い手にとっても再現性の高い投資と見なされます。
ラーメン、焼肉、フレンチなど人気のある業態や、テイクアウト・デリバリー対応の店舗は、今の時代のニーズにも合致しており評価が高くなりやすいです。
調理技術や人材に強く依存する店舗は、再現性に不安が残るため敬遠されることも。一方で、マニュアル化されていて運営が属人化していない店舗は評価されやすい傾向です。
「誰に、どんな価値を提供しているのか」が明確な店舗は、ブランド力があり差別化されているため、買い手にとっても魅力的です。
飲食店の大半が賃貸物件で営業しているため、「賃貸契約の内容」は売却の成否に直結します。
そのため、専門知識がないと見落としやすい項目が多く存在し、トラブルが発生してしまう可能性もあります。
契約書に「造作譲渡を禁止する」旨の特約があると、居抜きでの売却が認められず、スケルトン工事が必要となる場合があります。
ただ、貸主(大家)との交渉次第では、造作譲渡を許可してくれる場合も大いにあるので、店舗売却の専門家に相談することをお勧めします。
買主は将来の賃料負担を考慮して購入を判断するので、将来的な賃料の値上げに関する条項や改定の条件などが記載されていないか確認しましょう。
どこまで原状回復しなければならないのかが契約内容によって異なるので、売却後に予期せぬ費用負担が発生することがあります。
特に、賃貸借契約に関する内容(原状回復義務・更新条件・名義変更の可否など)は、売却そのものの成否や、売却後に発生する費用に大きく影響します。
売却時に「貸主(大家)の承諾」が必要なケースもあり、承諾が得られないと売却自体が不可能になることも。
また、家賃が相場より高すぎると、どんなに立地や設備が良くても買い手が見つからないこともあります。
ご自身での判断が難しい場合は、売却したい方法にもよりますが、必ず不動産やM&A、法律に詳しい専門家などに契約内容の確認を依頼してください。
専門家のアドバイスを受けながら進めることで、予期せぬトラブルや損失を防ぐことができます。
内装や厨房設備の状態も、売却価格を左右する要素の一つです。
買主が引き継いだ後にどれだけ手直しが必要か、あるいはすぐに営業を開始できるかが評価されます。
設備や内装の状態が良いほど、買主は開業にかかる初期投資を抑えることができるため、「居抜き物件」としての評価が高くなります。
清潔感があり、店舗コンセプトと調和した内装であるほど、見学時の印象もよく、価格にも反映されやすくなります。新しい厨房器具や機器類が評価が高まるポイントの一つです。
老朽化した設備や故障・修繕が必要なもの(=瑕疵)は、買主に明確に伝えておかないと後のトラブルの原因にもなるので、必ず伝えましょう。
最後に見落とされがちですが、「売却理由」も売却価格や交渉に影響します。
事業拡大、新規チャレンジ、移転などの前向きな理由での売却は、買い手に安心感を与える材料となり、価格交渉でも有利に働く傾向があります。
経営難や体調不良、後継者不在などはマイナス材料として受け取られることも。ただし正直に状況を説明し、改善余地があることを伝えられれば大きな問題にはなりません。
理由そのものよりも、「どのように伝えるか」が重要です。信頼感を損なわず、冷静かつ誠実に説明する姿勢が好印象を与えます。
飲食店売却の相場が決まる主な5つのポイントを表でまとめたので、参考にしてください。
見出し | 内容の要点(箇条書き) |
---|---|
1.立地・地域性 | ・駅近、主要道路、商業施設などの立地要素が価格に直結 ・人通りの「量と質」が重要。競合の少ないエリアは評価が高い傾向 ・再開発や人口増加の将来性もプラス評価- 賃料水準が相場より安いと魅力的 |
2. 業種・業態 | ・安定需要がある業態(カフェ、居酒屋など)は評価が高い ・成長性のある業態(デリバリー・テイクアウト)は市場評価が上昇中 ・専門性が高すぎると買い手が限られる ・再現性があり、マニュアル化されていると売れやすい ・コンセプトが明確で、顧客に支持されている店舗は好印象 |
3. 賃貸契約の内容 | ・造作譲渡の可否(契約書に禁止条項がないか)を要確認 ・将来的な賃料改定条項があると買い手の不安材料に ・原状回復義務の範囲によって、売却後の費用が変わる ・貸主(大家)の承諾が必要な場合が多い ・法的リスクがあるため、専門家への確認が必須 |
4. 設備・内装の状態 | ・設備が新しく清潔なら「居抜き物件」として魅力が高まる ・内装のデザインや清潔感が評価ポイントになる ・老朽化・修繕の必要がある場合は事前に伝える or 修繕検討 |
5. 売却理由 | ・ポジティブな理由(事業拡大・新規挑戦など)は高評価につながる ・ネガティブな理由(赤字、健康上の問題など)は価格交渉で不利になりやすい ・売却理由の伝え方次第で印象・価格が変わるため戦略が必要 |
飲食店の店舗を売却する際に、どの業者に相談するかは非常に重要なポイントです。
ここでは、信頼できる売却業者を見極めるための3つのポイントを解説します。
売却業者といっても、得意とする業態はさまざまで、オフィス系、美容系、飲食系など、それぞれ専門分野があります。
特に飲食店の居抜き売却を希望する場合、厨房設備や衛生基準、騒音・煙の問題など、飲食店特有の事情に精通している業者を選ぶことが非常に重要です。
飲食店専門の売却支援を行っている会社であれば、業界事情に明るく、現実的な提案をしてくれる可能性が高くなります。
売却を成功させるには、「買い手」が現れることが大前提です。
そのため、集客力のある売却業者を選ぶことがポイントになるので、具体的な要素を以下にまとめました。
店舗売却.comでは、1,600店舗以上の飲食店の売却実績があります。
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そのため、飲食業界の内部事情を熟知しているので、実践的なアドバイスが可能です。
売却にかかる仲介手数料や費用の内訳、支払いタイミング、返金の有無などが明確に提示されているかは、トラブルを防ぐうえで非常に重要です。
「初期費用ゼロ」を謳っていても、実際は高額な成果報酬が必要だったり、売却できなかった場合に費用が発生するケースもあります。
また、強気な価格での売却を勧める業者もありますが、相場を無視した価格設定をすると、売却できずにスケルトン工事が必要になるリスクも。
相場に詳しく、適正価格を提示してくれる業者を選ぶことが、スムーズな売却への近道です。
本記事では、飲食店を売却するための方法、基礎知識、相場、売却業者の選び方について詳しく解説しました。
「店舗売却」というと、ネガティブな印象を持たれる方もいるかもしれませんが、経営状況が厳しくなる前に「前向きな選択肢」として検討することが、将来的な損失を防ぐ鍵となります。
無理な営業を続けた結果、資金が尽きて突然閉店せざるを得なくなったり、原状回復費用の捻出ができずに自己破産に陥るといったケースも珍しくありません。
そうした事態を避けるためにも、選択肢の一つとして「店舗売却」を早めに検討し、余裕をもって準備を進めておくことが重要です。
店舗売却.comでは、飲食店経営者の皆さまが抱える課題に対して、売却だけでなく経営全体を視野に入れた総合的なサポートを提供しています。
「いつかのために話を聞いてみたい」という段階でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。
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